撮ってはいけない家
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撮ってはいけない家 / 感想・レビュー
いつでも母さん
短編の名手・矢樹さんの新作は怖い怖い長編小説。いろんなワードが断片的に散りばめられて、始めから目落とし無いように読むのだが・・ひたひたと不穏な空気が私を飲み込んで行く。雁字搦めになりつつ沢山のどうして?何故?が過去の悍ましい事件と重なり合ってキャー!つまびらかになる真相は私の想像を超える。あぁ・・まさしく撮ってはいけない家だったのだ(あら・・今、喉を鳴らしましたね?)これから白い漆喰壁の蔵の二階に窓があったら、吸い寄せられちゃうかも(汗)ダメと言われたら興味が湧くのが人って生き物だよね・・
2024/12/08
ちょろこ
旧家ホラーの一冊。開く前から蔵のひんやりとした湿度と匂いにまとわりつかれるよう。そして一枚の謎めいた写真はこの先待ち受ける危険シグナルのよう。「家にまつわる呪い」を撮影するため山梨の旧家を訪れた映画制作会社のロケ班一行は何を見るのか。呪わしき家に伝わる、とあるチカラ、蔵に秘められたおぞましき物と者、そして行い。止まらない恐怖の連鎖に肌はただ粟立つばかり。ホラーとミステリが見事に重なりゆく終盤は鼓動が高なり目が離せなかった。と同時にこのタイトルが背筋に氷となって伝うような瞬間がヤバい。尾を引く、引く…あぁ。
2024/12/04
mint☆
江戸時代から続く旧家、白土家でホラードラマを撮影することになった。その家は番組を担当する小隈プロデューサーの婚約者の家。ドラマと現実が妙にリンクしていて気味が悪い。結局人の業が呪いを呼び子孫や周辺の人を巻き込んでいくのか。ビクッとなるような怖さはないものの、点と点が繋がりじわじわとした怖さがやってくる。夜読めなくて完読までに時間がかかってしまいました。#NetGalleyJP
2024/11/25
ごみごみ
第1章の《確率の偏り》の話ですでに読み始めたことを後悔していたが、車はすでに集落に繋がるトンネルを抜けていた。2階へ上がる梯子が外れた蔵。半紙に書かれた経文と謎の記号。ドラマ撮影のロケ中に次々と起こる不穏な事象。何十年も前から繰り返されるいくつもの不幸と悲劇。見てはいけない、聞いてはいけないと言われると、人は余計に興味を抱きなんとかしてそれを知ろうとする。でも・・この家は決して撮ってはいけない家だった!表紙はあの蔵の写真だろうか?その2階の窓を、私はもう直視出来ない。
2024/12/01
さっちゃん
モキュメンタリーホラーのロケのため、山梨の旧家で撮影を進める映像制作会社のディレクター・杉田佑季たち撮影班。同僚で怪談好きのAD・阿南は、今回の企画と現実の出来事との共通点に気付く。やがて撮影中の現場で不可解な出来事や子どもの失踪事件が起こり…。/ネタバレにならないようにレビューを書くのが難しい。ホラーだけでなくミステリ色もあって、怖いのに続きが気になって仕方ない。子どもが犠牲になる話は辛いし胸糞悪いエピソードもあるが、呪い系が好きな人にはオススメ。確かに撮ってはいけない家だし関わってもいけない家だった。
2024/11/14
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