デビルマン 全5巻セット 講談社漫画文庫
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デビルマン 全5巻セット 講談社漫画文庫 / 感想・レビュー
ひろし
子ども向けアニメの原作でなく、ストーリーは全く別物。人間の醜さ、弱さ、愚かさを壮大なスケール感で描いたれっきとした作品と言ってよい。冒頭の前置きや場面設定がやたら長いのにまずこだわりを感じたが、エロとコメディのイメージを持つ作者永井豪が、この作品ではストイックでありサディスティックで、悪魔が乗り移ったかのような容赦ない展開が続く。普段は封印されている邪悪な心があぶり出されてくるような気にもなる。耐えられず読むのをやめてしまう人も少なくないのでは。取り扱い注意の作品だ。
2018/03/06
うのきち
疑心暗鬼にかられた人間は、制御不能の悪魔だ。人類はちょっとした切っ掛けで破滅への道を辿るのかもしれない。「悪魔からの恐怖から逃げるため……人間みんなが恐怖をあたえる側にまわろうとあがいている 被害者から加害者に……ここだけのことではない 人間ぜんぶが自分より弱い者をたたこうとしている……」「おれはからだは悪魔になった……だが人間の心をうしなわなかった!きさまらは人間のからだをもちながら悪魔に!悪魔になったんだぞ!これが!これが!おれが身をすててまもろうとした人間の正体か!」
2011/02/06
怜
アニメのイメージで読むと痛い目にあった。人間を救うはずのデビルマン=不動明の苦悩が痛い。
あお
昔の漫画なのによくある勧善懲悪の話ではないのが良かった。人間の弱さや醜さ、人間の犯した過ちを通して人間の存在意義を問うテーマが大きな作品だと思った。 あと、これ少年誌か?と思うほど暴力シーンはかなり過激で凄惨。絵は上手くはないのだが作者の気迫みたいなものが絵から伝わり、その画風が迫力に変わっています。長くはないが、骨太な作品でした。
2014/01/31
kasukade
永井豪さんがいかにスゴイかこの作品読めばほぼ伝わるとおもう。特に4、5巻の怒涛の展開は今どきの漫画しか読まない僕でも「おもれえ」ってなるぐらいブッチギッタ「狂気と裏切り」がありました。それは人間が悪魔以上に「弱さからくる悪」に支配されることでこんなにも容易く人を殺せることだったり、最終戦争を数ページで終わらせたり、主人公には最後まで絶望しかなかったり、ヒロインのしゃべり方が変だったりと色々引っかかりやスゴイとおもわせることが出来ることがまた素晴らしい。
2013/08/23
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