ヴァイオレット&クレア
ヴァイオレット&クレア / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
中学生に入る前=黒歴史時代に読んでいたら共感しただろうなと思った本。出会う時期を大幅に間違えてしまった・・・。最近、映画に嵌っている者としてはヴァイオレットが繰り出す映画ネタにニヤリとしたり。でもクールなヴァイオレットも有名人と一緒になって舞い上がっちゃったり、何でも信じちゃうのはこの世代ならではだな~と苦笑。個人的に妖精の羽をつけているクレアの恐れの方に共感してしまう。信じていた人に裏切られて自分が壊れてしまう怖さやそれ故の躊躇いとそうなった時の自暴自棄がとても痛々しい。
2017/07/21
兎乃
初夏を思わせる車窓からの風景。風を感じながらキラキラとした乙女小説、再読。私のフランチェスカ事故後遺症は今も続く。冒頭はいつもの作品のテイストと微妙に違うのだけど、ああ、やっぱりフランチェスカ。大好きです。切ない少女のビター&スイートをたっぷり味わう。原書もいいし、金原さんの訳も素敵。この感覚を出せる金原おぢ様は素晴らしい。「ママは知っている。詩は危険だけれど なくてはならない。ママはその子にペンを渡す。ママは日に日に大きくなり 夜がくると自分の心臓を胸から出す。そのドアを守るために。」
2013/05/21
糸巻
2003年に日本語訳で発行。金原瑞人さんの訳だからYAかな?主人公はタイトルにもなっている二人の少女。映画が好きで自分が監督した映画を撮りたいと思っている全身黒コーデのヴァイオレット、背中に羽を付けたファッションでイジメられっこ詩を書くことが好きなクレア。自分をさらけ出し経験を共にし唯一無二の存在になる。怖いもの知らずのティーンエイジャーだが、心に傷を負って自ら立ち直ることで大人になっていく。詩的表現多めの文章。
2024/02/29
aoneko
かなりの自意識過剰で、勝気で、映画マニアでフィルムメイカーで、天才少女なヴァイオレット(通ってる高校で浮いている)と、じぶんを妖精の子孫ではないかと思ってたりするクレア(もちろん友だちなし)。 恋によって、自らの感覚が鈍っていることに気づいたヴァイオレットは切ない。友情とも愛情ともシスターフッドともいえるような二人の関係性の行方も気になる。なにより、自由でのびやかで、繊細さを損なうことのないちょっと中毒性のある文章に参った。この著者の小説は翻訳がいつも同じ方なのだけど、素敵です。
2015/03/09
らくだ
二時間ほどで(間に夕食を挟んで)一気読み。面白かった!映画マニアで映画監督を目指す少女ヴァイオレットと、自らをフェアリーの末裔じゃないかと思うときがある少女クレア。勝ち気なヴァイオレット、無邪気で気弱なクレア。二人とも友達はなし。そんな二人が出会うことで物語は始まる。二人とも若いなぁ、思春期だなぁと思いながら読んだ。恋をして弱くなったり脆くなったり、裏切られて心のない金属のようになったり。物語の最後の、二人について書かれた一段落は二度読んだ。親友っていいですね。
2016/01/11
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