人魚の涙 天使の翼
人魚の涙 天使の翼 / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
訳文が普通の言葉なのだけれどまるで詩みたい。家庭の中で愛を感じられない孤独な少女が遂に幸せをつかむまで。
2018/01/24
冬見
「わたしがうまくできるのは、万引きとキスと踊りだけ。」完璧で美しい天使みたいな母親と、そんな彼女しか見えない父。そんな家で孤独を深める小鬼のような少女エコーはある日、背中にぼろぼろの翼をくっつけた少年に出会う。様々な人たちの人生が絡み合い、色とりどりの物語を見せる。短編小説かと思ったら連作短編で、連作短編だと思ったら一つの物語だった。人の人生は一つの物語で、人と関われば連作小説になって、けれどやっぱり辿り着いた「ここ」から世界を見渡せばそれは一つの物語なのだろう。スモークとエデンの物語が好きだった。
2018/02/08
りっとう ゆき
よかった。幻想的でもあり現実的でもあり。ストーリーが絡み合って一つになる。主人公始め、登場人物たちの痛みがひりひりするし、辛いけど、すごく心を動かされる作品。
2022/07/31
vertigo
好きな作家ではあるんだけど、うーん。ブロック作品のなかではあまり…なぜかこの前読んだ「燃えるスカートの少女」を思い出していた。いつも胸に迫ってくるあの煌めきとセンチメントのバランスが今回はあまり気持ちよくない感じ。骸骨を抱えた美しい悪女として描かれたLAの荒涼感がちょっとソープオペラに寄り過ぎた感じがする。
2012/01/24
azimuth
ブロックの少女たちは性を超越してなお少女だ。そこがたまらなく好き。
2010/08/11
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