悪魔の暦 (現代の世界文学シリーズ)
悪魔の暦 (現代の世界文学シリーズ) / 感想・レビュー
勉誠出版営業部
アラン・シリトーの『悪魔の暦』を読了。短編集。原題と邦題が異なっており、最後に収録された「第2のチャンス」(こっちが原題)が白眉。戦場で死んだ息子にそっくりな青年と、老夫婦の心理戦(って言っていいのかな?)が面白い。
2015/11/26
1977年から
1983年
いそぴ
11話収められた短編集。殺人が発覚されることを恐れ軍に志願し、その緊張感から平凡な男が腕の良い狙撃兵に、優れた上官になり・・『狙撃兵』。戦死した息子に生き写しの青年と老夫婦の交流と葛藤をひねったミステリーに仕立てた『第2のチャンス』の2話が書下ろしで、特に後者が寒気がするほど良かった。先の9話が今一つ精彩に欠け、この作家とは合わないか、と思ったところにガツンとやられた感じ。細やかな心理描写が素晴らしい。この2作品はもっと読まれて欲しいと思います。
2020/02/20
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