失われた時を求めて(6) 第3篇 ゲルマントの方 2
失われた時を求めて(6) 第3篇 ゲルマントの方 2 / 感想・レビュー
扉のこちら側
初読。2015年1056冊め。【58-6/G1000】ますます社交界にどっぷりつかるこの巻、注釈の数もこれまでで一番多い。華やかな雰囲気はわかるのだけれど、とにかく人物名や時事・文学の話題が豊富なのでついていくのが難しい。社交界って大変なんだな。第1章で語り手の祖母が亡くなり、ひとつの歴史の終わりを感じさせる厳粛な雰囲気。その一方で語り手は社交界という新たな世界での立ち位置を模索。これまで全編を通して存在感がなかった語り手の父は、祖母(父からして義母)の臨終間際になても相変わらず天気の話。
2015/09/16
白のヒメ
冒頭から始まる祖母の死の詳細な描写を読みながら、もし作家が自分の家族にいて、第三者に(金をとって)読ませるために家族の死をこうしてあまりにもリアルに冷静にそして赤裸々に描くとしたなら、作家を家族に持つのは嫌だと真面目に思った。けれど死の描写の最後の一行でその嫌悪感が見事ひっくり返される。トリッキー。後に続く話はひたすら社交界の話。血筋がどうの、家系がどうの、どっちが高貴だこっちが高貴だ、人間の本質はどこへやら。当時の貴族ってみんなお馬鹿?プルーストの言いたいことが段々分かってきた気がする。次巻へ。
2015/06/11
夏子
憧れのゲルマント侯爵夫人のサロンは実際には退屈な物でしかなく、長々とした親戚や家系の話を聞いている主人公のうんざりした気持ちに共感。サロンの女王であるゲルマント侯爵夫人の「エスプリ」は何となく伝わってきた。
2015/12/14
ぜっとん
「ゲルマントの方」祖母の死、アルベルチーヌとの再会、ゲルマント一族の「才気(エスプリ)」。絶妙な虚無感のある一冊で、祖母は死に、アルベルチーヌへの恋は通り過ぎ、ゲルマント家は虚しい「才気」を満々と湛えながら回っていく。
2014/02/21
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