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失われた時を求めて(9) 第5篇 囚われの女 1

失われた時を求めて(9) 第5篇 囚われの女 1

失われた時を求めて(9) 第5篇 囚われの女 1

作家
マルセル・プルースト
鈴木道彦
出版社
集英社
発売日
1999-05-20
ISBN
9784081440092
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失われた時を求めて(9) 第5篇 囚われの女 1 / 感想・レビュー

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扉のこちら側

初読。2015年1072冊め。【58-9/G1000】語り手とアルベルチーヌの同棲生活が凝縮されているこの巻。心理的駆け引きの描写で、アルベルチーヌがここまで嘘つきというか、周到に虚実を入り混ぜて話を作れる女だということが描かれる。P125に語り手の父親が天気にしか関心を抱かないことが伏線描写あり。「私が父に輪をかけて、父のように晴雨計を見るだけでは満足せず、ついに私自身が生きた晴雨計になりきってしまったこと、またレオニ叔母に支配されて、部屋のなかから、(続

2015/10/11

NAO

アルベルチーヌと同棲しその行動を制限してしまった語り手は、アルベルチーヌが従順なときには愛想を尽かして彼女への愚痴を言い、疑惑を感じると途端に嫉妬して束縛する。確かにアルベルチーヌは囚われの女だが、本当に囚われているのは語り手の方かもしれない。これまでの巻では絵画的なことが多く語られてきたが、この巻は音楽一色。風呂場で歌うアルベルチーヌ、ピアノを弾く語り手。物売りの声が音楽に例えられ、語り手は心の中で響くヴァイオリンに陶然とする。このあとモレルの演奏会があるらしいので、そこへと向かう序章のようなものか。

2015/09/30

kinka

思わぬアルベルチーヌの告白に衝撃を受けた語り手は、逃げるように彼女とバルベックを去り、パリに戻る。将来の確約もせず、彼女となし崩しの同棲生活が始まるが、彼は女の行動を束縛し、監視し、金と趣味に飽かせて飾り立て…なんて偏執的。その行動の動機は嫉妬と孤独と、理想の女性像を求める身勝手な男心か。祖母や母のような教養、エルスチールのような感性、ゲルマント夫人のようなエレガンスとファッションを備えた「自分だけに」優しい女を作ろうとしている。最低。でも、女だってやられっぱなしじゃないのだ。特に、彼女は極悪な子だから。

2015/11/06

夏子

ようやく9巻。主人公とアルベルチーヌの同棲の様子が延々と語られていた。主人公が面倒くさ過ぎて読んでいて辛い。スワンとベルゴットの死は唐突で、しかも結構さらっと流されていたので吃驚した。このあたりになってくるとスワンのまともさが懐かしい。

2016/11/15

ぜっとん

「囚われの女」。囚われているのは女なのか主人公か。付録冊子の指摘で、プルーストとサルトルの話があったがこれは中々面白い。

2014/03/04

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