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失われた時を求めて(10) 第5篇 囚われの女 2

失われた時を求めて(10) 第5篇 囚われの女 2

失われた時を求めて(10) 第5篇 囚われの女 2

作家
マルセル・プルースト
鈴木道彦
出版社
集英社
発売日
1999-09-17
ISBN
9784081440108
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失われた時を求めて(10) 第5篇 囚われの女 2 / 感想・レビュー

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扉のこちら側

初読。2015年1073冊め。【58-10/G1000】9巻に続き、語り手とアルベルチーヌの駆け引き。副題の囚われの女=アルベルチーヌ。語り手の家に閉じ込められた従順で一人ぼっちの彼女は、バルベックでの自由闊達な彼女とは変わってしまったということ。アルベルチーヌのことは好きではないけれど、語り手が自身によって変わっていった彼女をやっかいな奴隷を感じ、「できればこの重荷をおろしてしまいたい」と思っていることに男性側の身勝手を感じる。(続

2015/10/11

NAO

モレルの演奏会のあと、ついにヴェルデュラン夫妻はシャルリュスとモレルの仲を引き裂き、シャルリュスを追い出してしまう。この夜のことをアルベルチーヌに話して聞かせる語り手は、ヴァントゥイユの音楽から音楽と文学の違いについて語る。「私たちは実人生において、観念の形でものを感じてはいないので、感じたものを文学的に、つまり知的に翻訳する場合、それを伝え、説明し、分析することはできても、音楽のように再構成することはできない」そこからさらに展開されるドストエフスキー論は、とても興味深い。だが、この夜は、アルベルチーヌの

2015/10/07

ナハチガル

毎日少しずつ読んできて覚えているのは、ヴァントゥイユの音楽、シャルリュス氏の醜悪さとみじめさ、アルベールチーヌに翻弄される私。300ページ以上読んで「それだけ?」と自分でも思うが、なにか確実にこの小説に体を蝕まれているような、この小説が血肉の一部になってしまったような、いわく言いがたい感覚が残る。退屈さにくじけそうになったり、深い洞察に感動したり、来し方行く末に思いを馳せたり、なんだか人生みたいな本です。「愛、それは心に感じられるようになった時間と空間のことだ」。A。

2018/02/02

kinka

ここまできてやっと、もしかして今私は凄い小説を読んでるのかもしれんと思った(遅)。ヴァントゥイユの七重奏曲は、彼の集大成であり、決して恵まれていなかった生活や、娘の背信も全て飲み込んで、彼にしか作れない宇宙を生んだ。更に、これまでの物語、コンブレーでの背徳にスワンの恋、語り手の恋愛遍歴の底でもずっと流れていた小楽節が、ここで合算されたことで、そうか全ては繋がってたし、無駄な体験なんて無かったと分かるのだ。そして自分にもこんな物が作れるだろうかと問う語り手…真摯にしておっそろしい問いだなあ。答えは出るのか。

2015/11/18

夏子

相変わらずパーティーでの描写が続く前半は読んでて退屈。後半はアルベルチーヌと主人公のやりとり、前半と比べるととても面白く思えてしまう。アルベルチーヌが題名の通り去ってしまった所で終わり。後3巻で何が起こるのかが気になります。

2017/03/31

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