日輪の翼/讃歌 中上健次全集 (7) (中上健次全集)
日輪の翼/讃歌 中上健次全集 (7) (中上健次全集) / 感想・レビュー
マウンテンゴリラ
はじめて著者の小説を読んだが、今まで味わったことのないようなせつなさ、感動を覚えた。特に後編の「賛歌」については、あまりにも赤裸々な性の描写に満ちており、前編の「日輪の翼」に見られるような、オバらのユーモラスとさえ感じさせる人間臭もないため、正直、途中で投げ出したくなったが、最後に、路地出身者の悲哀を通して、現代に生きる我々の存在がいかに虚栄に満ち、心の安らぎを得られる場所を失いさまよい続けているかを感じさせられた。
2013/03/07
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