冒険の森へ 傑作小説大全 3 背徳の仔ら (冒険の森へ 傑作小説大全3)
冒険の森へ 傑作小説大全 3 背徳の仔ら (冒険の森へ 傑作小説大全3) / 感想・レビュー
KAZOO
この全集もこの巻を含めてあと4冊ということになりました。この巻では、長編が黒岩重吾の「裸の背徳者」、大藪春彦の「野獣死すべし」、短編5編、ショートストーリー5編が収められています。「野獣死すべし」が大学生時代に書かれていたとは驚きです。育った時代背景があるのでしょうね。私はこの中で印象に残る作品は、松本清張の「鬼畜」です。映画化もされてみているので印象に残っています。ほかの本などでも数回は読んでいます。純文学者の立原正秋の「白い罌粟」もこの分野の作品として読むと印象に残ります。
2016/09/06
starbro
集英社の創業90周年企画 傑作小説大全「冒険の森へ」全20巻完読プロジェクト第十五弾は第3巻「背徳の仔ら」です。ようやく3/4まで来ました。本巻は悪が跋扈する小説集です。今回は短編に面白作品が多かったですが、掌編は川端康成の「地」、短編は松本清張の「鬼畜」・立原正秋の直木賞受賞作「白い罌粟」、長編は大藪春彦の「野獣死すべし-付・復讐篇-」が特にオススメです。
2016/10/07
mii22.
悪の匂いでむせかえりそうになる一冊。掌編では、川端康成「地」久生十蘭「昆虫図」皆川博子「夜のリフレーン」がよかった。ラストのゾクッと感が甘美で好みだ。短編では、松本清張「鬼畜」男の優柔不断さと女の冷酷さ、そして子供の哀れさとそれぞれの心情が際立ちよかった。野坂昭如「骨餓身峠死人葛」にはとにかく圧倒された。凄惨で背徳と狂気の坩堝と化していたが、死人の血肉を養いとして美しい花を咲かせる死人葛の描写が妖しいまでに美しく強く心に残った。長編2作品は、男臭く血と暴力にまみれハード過ぎて、正直ちょっと合わなかった。
2016/10/24
ぐうぐう
「背徳の仔ら」と題された『冒険の森へ』第3巻。掌編はどれも印象深い。皆川博子の散文詩「夜のリフレーン」は短くシンプルだからこその鋭利さがたまらない。小酒井不木と久生十蘭もそれぞれインパクトのある個性的な作品だが、川端康成「地」には敵わない。川端の作家としての底知れなさに、ただただ立ち尽くすしかない。短編ではなんといっても松本清張「鬼畜」だ。野村芳太郎の映画版も名作だが、それもこの原作あってこそなのだ。映画を先に観た者には、映画のクライマックスの手前で終わる幕切れに肩透かしを食らうかもしれないが、(つづく)
2016/09/11
オールドサイレンサー
★★★★★ 「裸の背徳者」に星5つです。物語のはじまりに取っ付きにくさを感じ、そっと閉じようと思ったのですが、少しパラパラとめくってみると面白そうかな〜と思い、気持ちを新たに読んでみると、もう止まりません(笑)他の作品は、短めのものは楽しめましたが、「野獣死すべし」は合わなかったです。。人気作品だったようですので、自分の好みなんでしょうね。
2019/03/03
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