アジア人物史 第1巻 神話世界と古代帝国
アジア人物史 第1巻 神話世界と古代帝国 / 感想・レビュー
さつき
アジア各地の神話から始まり、ハンムラビ、ダレイオス1世、イエス、ブッダ、アショーカ、孔子など…様々な地域の人々が描かれています。名前を知っているだけの人物より、始皇帝や冒頓単于などある程度は知識のある人物の方が楽しめたかな。
2023/10/04
鯖
アジア各地の神話が大量に収録されてるのがうれしい第一巻。貧しい木こりに6人娘がいて、鬼が食べるために連れてったが娘たちは逃げ出した。その美しさゆえに寵姫となったが、鬼が寵姫に化け、王を唆して他の娘の目を抉り出し穴倉に閉じ込めた。娘たちに食料は与えられず、彼女たちは妊娠していたので子どもを貪り食って生き延びた。一人だけ生き延びた息子は鬼の娘と恋に落ち、12人分の眼球を取り戻して母親たちの目を元に戻した。めでたしめでたし。…全然めでたしじゃないよ?????
2024/01/20
さとうしん
アジア各地の神話についても触れていること、その人物に対する後代の人々の受容や現代への影響に言及していること、ローリンソンなど関連する後代の学者も項目として立てていること、女性を積極的に項目に立てていること、人物以外に王朝や族群などの勢力、集団も項目に立てていることが特徴だろうか。執筆者の中に当該人物に関する評伝等を既に発表している研究者もかなり含まれているが、始皇帝担当の鶴間和幸氏のように違うアプローチを試みている人もいて好感が持てた。
2023/02/10
MUNEKAZ
どうしても中華帝国とその周辺の記述が分厚くなるので、やっぱり「文字」のある文化は偉大だなと実感する。インドや東南アジアなどは、世界史の教科書に出てくる有名人でもふわふわした伝承しかなくて、考古学や二次史料に頼らざるを得ない難しさと面白さを感じたり。伝としては、始皇帝の心のひだに迫ろうとしている鶴間和幸氏の部分が読みどころかな。あとホントのところはさっぱりだけど後世にどんどん伝説が膨らんでいくアショーカ王や、毛利元就ばりに小領主から古代メソポタミアの群雄割拠を制したハンムラビ大王なども楽しく読めた。
2023/02/20
ピオリーヌ
ハンムラビ王がメソポタミアに覇を唱えた紀元前18世紀前半からフン系遊牧民アルハンが相次いで南アジアに侵攻し、撃退された六世紀前半までが対象。人物史に先立ち、各地方の神話が紹介されている点が新鮮。800頁弱の大ボリューム。やはり古代中国の歴史資料の豊富さは図抜けている。クシャーン朝のカニシュカ一世はその知名度とは裏腹に、同時代資料の極端な少なさが原因で王の生涯については殆ど明らかになっていない。それでもここ30年ほどの間に、バクトリア語で書かれた碑文が二つ発見され、いくらか具体的なイメージが掴めるように
2024/02/01
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