アジア人物史 第2巻 世界宗教圏の誕生と割拠する東アジア
アジア人物史 第2巻 世界宗教圏の誕生と割拠する東アジア / 感想・レビュー
MUNEKAZ
大乗仏教・上座部仏教やイスラーム圏の成立も扱っているが、読みどころはやはり隋唐帝国成立のインパクトを受けた東アジア地域。倭国と三国時代の朝鮮半島の活発な国際関係が、人物史を組み重ねることで群像劇として浮かび上がってくる。また人選で興味深いのは隋唐帝国の代表に、煬帝の夫人であった蕭皇后を選んでいる点。南朝の末裔にして煬帝の妻、のちに突厥に担がれて隋の亡命政権の首班となり、最後は唐の太宗の客人となる。南北朝から唐までの中国史を凝縮したような人生は、なんともドラマチックで面白い。まさに「流転の王妃」である。
2023/03/10
鯖
仏教成立からちうごく隋唐、朝鮮高句麗、奈良時代、イスラムの誕生あたりまで。暴君煬帝の蕭皇后から見る第5章がよかった。82歳まで唐王朝の庇護下に生きてたのかあ…。おてんばな奥さん方に言い聞かせるように「美しいところを見せぬように」と説くムハンマド、今のイスラムのありようを見たら卒倒しそう。
2024/02/18
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