冬の旅人高倉健の肖像
冬の旅人高倉健の肖像 / 感想・レビュー
キジネコ
画集。油彩「夜の果て」という一枚があります。北の海辺の街、大きな荷を背負って歩く男を影に塗り籠めて描いた表情のない一枚。表裏、虚実、陰影。その絵を見て「ああ高倉健だなあ」と思った。この人を悪く言うメデイアを知らない。あるのかも知れないし、過去にもあったのかも知れないが正直に云うと関心がなかった。それは 嫉妬の裏返しであったかも知れない、と今思う。この世界を劇場に例えれば、彼は陰を纏って虚構を演じ、重い「愚直」の荷を運びきった俳優であり、同時に別の実相をもった観客でもあったのでは・・とも 思う。ご冥福を。
2014/12/19
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