ひとりでお帰り (コバルト文庫 た 4-5)
ひとりでお帰り (コバルト文庫 た 4-5) / 感想・レビュー
袖崎いたる
おそらく人生初のコバルト文庫体験。あとがきでめっちゃ完成させることに苦労があったよーとあったけれど、読んでみるとめっちゃ苦労がない。それはいい作品の証拠なのだろうかはわからないけれど。なんともいえないモラトリアム感。もはやモラトリアムすぎてサナトリウム感すらある。その膜の中で三角関係になり、安定を見せつつもこじれていくような塩梅。繊細な感情描写は美しい。同名楽曲があるらしいのでそちらを聴きながらだとのめり込めるのかもね。幻想的といえばそうだけど、変態的ではないので、そちらの期待は報われなかった。
2017/07/22
tomoaoso
昔読んだ本。 懐かしくなって図書館で再読。 今読んでも色あせなくていい。 多くの人に読んで欲しいから再販しないかな。
2019/07/07
オワリハジメ
心地よい淋しさを感じる小説。偽善者的な人って優しいけど巧妙でずるい。絵も絵本みたいでよく書き込まれてるしすごく可愛らしくて好き。
2015/12/17
koike
谷山さんの同名曲を先に知ってると、終始その雰囲気で読み進められる作品。元々切ない系の曲だなーと思ってたけど、小説も私と親友とその彼氏の若かりし三角関係で切ない感じ。夕焼けリンゴ聴きたくなったー
2015/05/30
季子
淋しさに眠れない夜に聴いた谷山さんの『ひとりでお帰り』。その時の私に重なって聴こえたその歌は、私の心の奥底をそっと温めてくれた。その歌をイメージした作品がこれ。読んでいる時、タケルの優柔不断さに腹立って仕方なかったけど、読み終わった時、この幼い恋にも大きな意味があったんだと思った。きっとタケルもアリスのようにこの幼い恋の記憶がやがて彼を成長させてゆくのだと思えたから。回り道は必要なんだと。いつかすてきな誰かに出逢うために。読み終えた時、優しく穏やかな気持ちになった。イラストも素敵。
2013/11/10
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