炎の蜃気楼シリーズ(21) 裂命の星 (コバルト文庫)
炎の蜃気楼シリーズ(21) 裂命の星 (コバルト文庫) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
第三部、四国編。千秋こと安田長秀の生存は分かったもののまさかの展開。しかし、黄金蛇頭のことを知らせに駆け参じた擾運を調伏したことから考えると勝手に自分勝手な役と期待を押し付けて対面もせずに切り捨てる上杉に愛想を尽かすのも当たり前かと思ってしまいます。一方、信玄も冷遇されてきた父親の呪縛から逃れられないことから生まれた野心が凄まじいいです。直江と別れた後の高耶さんの状況が痛々しくも土佐赤鯨衆の邪眼すらも有効な武器とみる前向きな思考に驚かされました。
2012/01/31
あすな
こんなにも心が疲弊しているのに、本能のまま、死ぬことも出来ずに、生きるしかない。いっそ、この静かな場所で化石になれればいいのに。/アカン!長秀が!!から始まった3部。世代交代かと思うくらい、新たな登場人物が出てくること、出てくること。「赤鯨衆」と名乗る、これまでとは何だか異なる雰囲気を纏う怨将たち。記憶喪失の青年。新たな出会いが、少しでも高耶ちゃんの心を慰めてくれるといいのだけれど。まあ、難しいよね。/…えっと、直江氏は、その、どんだけ卑猥な言葉を…いえ!何でもないです!早く見つけてよね!!直江氏!
2014/01/27
たろさ
高知編。剣山中で一人野宿をしていた高耶。獣のようにひたすら生きる生活。でもその体と心は直江を求めていて、切ない。たまたま通りかかった換生者で記憶喪失の潮に引きずられて土佐赤鯨衆に連行されてしまう。嫌がらせを受けながらも戦いに加わり、否応もなく力を使うが、やはりダメージは大きい。早くなんとかしなければ。武田の元に囚われている譲、織田に監禁されている綾子、千秋ではない宿体で寝返った長秀。鮎川だけが景虎を見かけるが…。潮の命を人質に赤鯨衆を去れなくなった高耶。嶺次郎の雑兵としての言葉が胸に迫る。
2018/06/22
たろさ
ミラステ後の再読。信玄の元に囚われている譲、春家も信長の捕虜のまま。長秀は織田方に。全ては四国へと流れていく。ーーあのひとは、俺が追ってくるのを待っている…。 剣山の麓で一人、野獣のような生活をしている高耶。高耶の心と体は、あの去ってきた白い部屋の直江を今でもひたすら強く求めているのに。武藤潮と、土佐赤鯨衆・草間と嶺次郎登場。潮に巻き込まれて、同行することになる。「星盗り」がまさかの「裂命星」、高耶は否応なくまた、闇戦国の戦いに。やっぱり中川さん、好きだなぁ。みんなのお母さんみたいで、ほっとする。
2018/10/09
ユーリ
四国編突入ということで、新しい登場人物がわんさか出てきて今までの人間関係がリセットに。直江から離れた途端、なぜか以前の尖っていた頃の高耶の口調に逆戻り。星盗りの戦いは単純に面白かった。
2010/02/17
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