号泣 (集英社オレンジ文庫)
号泣 (集英社オレンジ文庫) / 感想・レビュー
優愛
読者モデルでもある春日井奈々はあの日なぜあんな形で死んだのだろう。あれは果たして自殺か、それとも――春、夏、秋、冬。結成された四季の会。巡り来る四季に影を落とす不審な人物は誰か、これが最後までなかなか分からない。死ねばいい、あんな子は死ねばいい。まるで時限爆弾のような恐怖のプレゼントを贈ると同時に始まるあなたへの復讐。地獄のような人生を、これは因果応報なのだから。女同士の格付けと偽りの友情を疑似体験したような気になるくらいまとわりつくような文体が見所。胸がざわつくような青春ミステリーは伏線回収も圧巻です。
2015/04/15
えりこんぐ
箏曲部に所属する女子高生たちのドロドロミステリー。飛び降りた女子は自殺か他殺か? 各章で女子たちのイメージがころころ変わる。なんとなく秋吉さんの『暗黒女子』テイスト? 黒いのは好きなので(笑)なかなか面白かった(´∀`=)
2017/02/04
よっち
春休み、春日井奈々が校舎から転落死したことをきっかけに、筝曲部の春・夏・秋・冬を名前に持つ「四季の会」少女4人が事件に巻き込まれていく危うく儚い青春ミステリー。悪意を持った嫌がらせから始まったすれ違いがどうしようもないところまで積み重なった結果、生まれてしまった復讐劇。軽挙から密かに起きていた知られざる悲劇。文中に彼女たちの告白を挿入しながら進められていく物語は、ひとつの方向に向かうことを予感させますが、まさかの展開に見事に騙されました。少女たちの不安定に揺れる思いを、生々しい描写で描き切った圧巻の一冊。
2015/04/28
あゆ
号泣 すっごく面白かったよ 内容がサラッとしてて読みやすかった 春日井奈々の死には他殺と自殺の両面が疑われたんだよねー。 四季の会ってなんか美しい名前の会だよねー。
2020/06/10
波多野七月
タイトルの意味がわかった瞬間に、どうしようもないほどの衝撃が訪れる。春、夏、秋、冬。それぞれの名前に四季の文字が刻まれた、〈四季の会〉の少女達。謎の転落死をとげた一人の少女、やがて次々に少女達の周囲で起きていく異変。自殺なのか、殺人なのか。読み進めていくうちに、吐き気がする程の悪意とめまいに襲われる。このやるせない哀しみにみちた物語を、二度と読み返せないだろう。嫉妬、笑顔の向こうにひそませた悪意、憎しみという引力で繋がる女の友情のカタチ。どろりとした匂いにむせかえる、青春ダークミステリ。
2015/03/28
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