夏と花火と私の死体 (JUMP jBOOKS)
夏と花火と私の死体 (JUMP jBOOKS) / 感想・レビュー
☆よいこ
乙一のデビュー作。表題作と、もうひとつ短編が収録されている[夏と花火と私の死体]死体の一人称で語られる物語。木から落ちて死んだ私の体は、小学生の健くんと弥生ちゃんの手で隠される。捜索隊に見つからないように、移動させられる死体。ふたりは上手に死体を隠しおおせることはできるのか[優子]住み込みで働く清音は、ご主人と奥様に食事を運ぶ。しかし奥様の姿が見えない。不安にかられた清音は重大な事件を引き起こす。結末で知らされる悲惨な過去と過失。悲劇▽マイペースなあとがきに笑う。選考委員だった栗本薫の選評あり。
2021/10/15
瑪瑙(サードニックス)
私好みの作品ではありませんでした。もっと心霊的な怖い話かなと思って読んだので、ちょっとがっかりです。表題作に登場する兄とそのあこがれの女性はサイコパスなのかな?と思いました。「優子」は結局ご主人と清音のどちらの言っていることが正しいのかがわからず、モヤモヤとしたままでした。
2018/08/10
四野一二三
再読。これがデビュー作との事ですが、この作品が世の中に出た当時、筆を折る作家志望が滅茶苦茶多かったそうです。確かに未成年にこんなもん書かれたら発狂するでしょうね。お気持ちお察しします。受賞当時「一昔前の日本の風土がよく描かれている」と審査員が誉めていましたが、本人にいわく「実家の近所なう」だそうで、作者のみならず、作者の地元も気になってきますね。便乗して町おこしとかすれば一儲けできると思いますよ。私はその町にあんまり長居したくはないですが。コナン君みたいな子供が沢山いて高校生は皆名字が金田一なんでしょうね
2016/05/05
クララ
作者の乙一が16才の時に書いた作品。ということは娘と同じ年…自分の娘が『夏と花火と私の死体』って書いてたら、かなり心配するだろう…(;o;)この作品、「わたし」という死体の一人称で記述されている。とにかくどうなるのか気になって、ものすごいスピードで読んだ。ミステリーのような、ホラーのような。面白かった。他の作品も読んでみたい♪
2014/02/22
海月
表題作と「優子」の二作品収録。どちらも日本的な怖さを独特の雰囲気で感じさせてくれます。特に表題作は、独自の視点と淡々とした語り口が不思議な感覚で、とても印象的でした。これらの作品を十六歳で書き上げた作者は本当に凄いし、この時点で後の「GOTH」等に通じる所が見られるのも興味深いですね。
2013/08/14
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