人権と国家 ―世界の本質をめぐる考察 (集英社新書)
人権と国家 ―世界の本質をめぐる考察 (集英社新書) / 感想・レビュー
ころこ
3つのインタビューと2つの論文で構成されています。反米だけが明確で、06年の時点では3.11以後が強く意識されていた日本に対する別の対抗軸を模索するのは当然のことです。ジジェクが気の毒なのは、共有している前提の分からない人が来て、聞くことに明確な意図が無ければ、目先の変わったことを次々と言わなければ相手の満足度が図れなかっただろうということです。この本によって、私には単なる逆張り男として刻まれてしまいました。読む価値は無いと思います。
2021/10/09
更紗蝦
2006年出版の本なので、ジジェク氏と岡崎玲子氏の対話の中に見られるお二人の「日本観」は、今となってはかなり買い被っている面が見られます。(ちなみに、インタビュー当時の日本の首相は小泉純一郎氏。) 映画に関する話題がかなり出てくるのですが、岡崎氏が東京ではインディペンデント映画などを上映する単館の劇場はまだまだ健在であるかようなニュアンスの発言をしており(200p)、のちに銀座のシネパトスや渋谷のシネマライズなどが閉館することを知っている身としては、微妙な気持ちになりました。
2016/11/22
白義
パリ暴動についての考察が、無意味で、捨て鉢でシニカルな暴力についてかなり的を射た論を展開していて楽しく読めた。不合理な暴力行為とは、何らかの意思の表明というより、無力感と失望感の結果であるというのは本質に迫っている。それを傍証する現代の映画や時事の解説も鮮やかで、ジジェク節がよく現れている。ジジェクは一切の取り繕いを許さず、人権や現代文明の内在的矛盾、否定項を露悪的なまでに暴露し、読者へ挑発を仕掛けてくる。だがその人柄はむしろユーモアと茶目っ気に溢れていて、インタビューでその様子が確認できる
2012/07/09
g_eiru
インタビュアー、メチャクチャ凄くない? ものすごく博学なんだろうなぁ、と感心しながら読んでいた ジジェクの話はメチャクチャ面白いですね 他も読んでみたいけど、この本が1番緩いだろうから、ムズいかもな〜
2020/07/31
左手爆弾
ジジェクのインタビュー&小エッセイ。内容は雑多なので雑多に書く。実践よりも理論を/マルクスは「資本論が書き上がるまで革命は待てと言った/問題を解決するのではなく問題を起こすために立ち上がる若者たち/略奪とレイプをはたらくものと決めつけられた主体は、現実がどうであれ認められない/日本の文化、回転寿司や女子高生の洗濯していない下着、遊戯王カード、とりわけエグゾディアに興味のあるジジェク/西洋で日本に対する幻想や偏見を突きつけられたら、乗って見せて、それでいて冗談とわかるように振る舞うこと。等々。
2013/07/08
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