日本語はなぜ美しいのか (集英社新書)
日本語はなぜ美しいのか (集英社新書) / 感想・レビュー
けんとまん1007
改めて日本語というものを考え直すきっかけになった。母音と子音の役割が、とてもわかりやすい。それぞれの音からくる印象、そこから派生する思考、行動への繋がりが、なるほどと納得。母語と母国語というのも納得。母語がしっかりしないまま英語教育に走る危険性は同意見。落合陽一さんも、日本語でしっかり考えることが、真のグローバルにつながると書かれている、
2020/08/27
あちゃくん
「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」の黒川さんの本。今回も言葉の語感や発音体感を中心に非常に興味深い言語論が展開されています。欧米系の言語が子音中心なのに対し、日本語は母音中心でそのため擬音が発達したり俳句という文化が成立したりしたんだなと納得させられます。日本語ってほんとうに面白いし世界的にも稀有な言語なんだなと改めて実感させられます。この本についてはいろいろ語りたいことがあるけど、僕にとって一番だったのは文中のココ→”アサの発音体感は、爽やかな開放感に溢れている。”(P.88)
2013/10/19
Kikuyo
「ヒトが人生の最初に出会う、発音体感ということばの属性。それは、脳の認知構造の基礎に深く関与しており、ある意味、ことばの本質といってもいいものである。」発音体感は、ことばの本質である。「言霊」という言葉があるように、日本人である私たちは「音」に対する感受性が鋭敏だ。私たちはある意味「音」でやり取りをしているのだ。Kには固い固体感、Sには空気をはらんですべる感じが、Tには確かさのあるイメージ。日本語の本質についてさらに知りたくなった。
2017/01/31
あまね
こちらの本を読みながら幾度となく思い出したのは『初めに言葉があった。言葉は神と共にあった。言葉は神であった。』という聖書の言葉でした。筆者は、『環境が言語を作り、言語は人を作る。その言語の発音特性が人の意識を作り出す。』と纏めます。読み進めるごとに、世界中でも特異な母音を主体に音声認識をする日本語の特徴の提示に納得し、とても面白く思いました。また、母語形成の大切さを訴えている章は、大変興味深く思いました。後から気づきましたが、黒川さんは『○○のトリセツ』をお書きになっている方なのですね。筆達者なわけです。
2024/05/28
石橋陽子
以前『言語の本質』を読み面白かったがこちらは読みやすいバージョン。舌の使い方や母音子音の並び等日本語が美しい理由は色々ある。今どきの若者が使う言葉を考えると、日本語の美しさが発揮されてないので勿体無い。勿論私もだが。一昔前の文豪が使う言葉は、少なからず今よりは日本語の良さが出てると思う。また脳に母国語が定着するのが12歳。それまでに母国語と外国語を混合して育てると歪んだ言語モデルを手に入れることになる。子供が英語を話すのがかっこいいと思っている母親は要注意。子供の脳の母語形成を気楽に破壊していることになる
2024/02/21
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