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江戸の妖怪事件簿 (集英社新書)

江戸の妖怪事件簿 (集英社新書)

江戸の妖怪事件簿 (集英社新書)

作家
田中聡
出版社
集英社
発売日
2007-06-15
ISBN
9784087203981
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江戸の妖怪事件簿 (集英社新書) / 感想・レビュー

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白義

「幽霊なんているわけないさ、狸に化かされただけだよ」江戸時代には合理論の形をとってこのような言い方をすることがあったという。幽霊を超常の枠にはめる一方で狸や狐の妖怪変化は確かなリアルだった江戸時代。現代とは断絶したその自然観を豊富で愉快な妖怪事件簿からたどっていき、さらにそこから江戸という時代が持ち得た、科学も道徳も哲学も未分化で渾然一体とした独特のコスモロジーを明らかにしていく面白い一冊。個々の事件自体寝取り化物や展開が二転三転する狐憑き事件と読みやすく、江戸の人々の活気が蘇るかのような明快な紹介である

2018/08/09

寝落ち6段

江戸時代の人々は、妖怪をどのように捉えていたのか。平安時代からは、憑いたり祟ったりすることで害を及ぼしてくる物理的に捕らえる事のできない物、祈祷で神仏を通じて祓うというものであった。それらが形骸化し、庶民が力をもつようになった江戸時代。市井の巷説が大量に記録される時代。江戸初期には、化け物はけだものという形で、物理的に対抗できる存在だった。祈祷よりも、刀や鉄砲、犬で対抗する。経るにつれ、妖怪がキャラクター化していく。幽霊よりも、狐狸に化かされる方が現実的と感じていたのが、現代との大きなギャップだ。

2022/08/09

ハルト

読了:◎ 江戸時代での狐狸や幽霊の扱われ方について語っている。今では信じられないが、昔は幽霊より狐狸の存在が信じられていた。そんな妖怪のエピソードが真剣に書かれている。まだ西洋医学が入る前の話、人はどのように病を得るのかがはっきりとしていなかった時代。心身の不調などを妖怪の仕業として、祈祷し、祓うことでよくなると思っていた。今の時代に読むと、荒唐無稽な読み物のようなお話だが、当時の人達にとっては真剣に妖怪の仕業として悩み困っていたのだ。妖怪の娯楽読本として楽しめた。

2024/09/27

風竜胆

江戸時代は、妖怪に限らず、現代人の目から見れば、驚くようなことがたくさんある。正にワンダーランドだ。

2013/10/14

みさ

江戸時代の人々の思想に触れているかと思いましたが、話題になった事件簿を紹介することに重きを置いてます。 平安時代の生霊や生まれ変わりを信じることは理解できますが、江戸時代の「幽霊なんて存在するわけがない!さては狐の仕業だな」という感覚はつかみづらいです。 狐で裁かれた人物が裁かれたこともあるようですが、その記録は日本昔話のようなストーリーでした。 100年後、東スポのカッパ発見記事はどのように評価されるのでしょうか。

2017/05/19

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