KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B)

王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B)

王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B)

作家
森達也
出版社
集英社
発売日
2007-08-17
ISBN
9784087204056
amazonで購入する

王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

absinthe

正義と悪の構図の逆転、何が正義で何が悪かはその時の状況次第。その瞬間を切り取る手法次第でどちらにもなってしまう。人間の疑心暗鬼が生み出す攻撃性について。『裸の王様』『桃太郎』『美女と野獣』『ねことすず』・・・様々な名作を切り口に人間のうわべの偽りを暴く本。単なる悪乗りではないところがいい。

2020/03/16

chimako

その後どうなったのか……それを著す本はない……ので、著者の想像(妄想?)で描かれるその後。桃太郎や瓜子姫、蜘蛛の糸のカンダタ、泣いた赤鬼の日本昔ばなし。 赤ずきん、ミダス王、みにくいあひるのこやドン・キホーテ、果は仮面ライダーに至るまで。「青春と読書」に連載されたものをまとめた一冊。全編理屈っぽいホラ話である。が、本編作者の生涯や時代背景も探りながら人の意識の危うさや戦争に向かう狂気がそこかしこに現れる。面白くなかった訳ではないが疲れた。「知りたかったのはそれじゃないんだけどなぁ」と独りごちた読後。

2019/02/15

KEI

古今東西の良く知られた物語15話の著者の風刺が効いたパロディ。桃太郎は平和な鬼ヶ島の侵略者となる。猫のトムに鈴を付けようとしたネズミのジェリーは国家機密漏洩罪で逮捕され、話し合った他のネズミたちは共謀罪になるとは!メディアや現代社会の矛盾を突いた話の展開には政治色が濃かったが、なるほどと思わされる事も多かった。ちょっとした違和感にも敏感になる事も大切なのだろう。挿絵(特に裸の王様)は秀逸。

2020/03/07

よこしま

桃太郎をパロディーした芥川龍之介までを、パロディーにしてしまうジャーナリスト森達也。◆タイトルがあまりにも意味深なので中身を確認せず借りてしまいました。お伽話だけでなく仮面ライダーまでも。ふとガッチャマンで観たシーンを思い出しました。敵組織ギャラクターの一員が給与安くて、逃げながら1号と喋ってるくだりは、自作ながら下部の立場も考えた作品だと。◆正義とは?オウムを追った彼は仏壇を盗む記者を見る。幾らでも正義は作られるような。◆総論的に一つだけの視点だけでなく、見方や考え様により多角的な視点が必要なんですね。

2015/04/11

ちさと

一癖あるジャーナリストをずるずる引っさげて参りました。有名な15の物語を森風にパロディしたもの。森さんの現代社会への持論を手軽に知る事ができる1冊になっています。全ての表現は作者の主観が織りなすフィクション(桃太郎)・善悪基準の脱構築(蜘蛛の糸)・無償の献身は暴走する(幸福の王子)・組織共同体が宿命的に持つ負のダイナミズム(泣いた赤鬼)。他いろいろ。自分だったらこうかなぁと想像してうきうきする読書でした。

2018/12/31

感想・レビューをもっと見る