奇想の江戸挿絵 (集英社新書ヴィジュアル版)
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奇想の江戸挿絵 (集英社新書ヴィジュアル版) / 感想・レビュー
ねこ
江戸時代のインパクトのある挿絵を集めた本書。当時の識字率から文字より絵で表現する方が圧倒的にいい。現代と違い当時は夜、魑魅魍魎の跋扈する異界が存在し、幽霊、妖怪、斬首が日常の近くに有った事を考えると大変興味深い絵ばかりである。そんな中でやはり北斎の絵はダントツに素晴らしい。さすが世界の北斎!最後に…ダイバダッタはレインボーマンの師匠と思っていたのに「提婆達多」(ダイバダッタ)は、仏教で教えられる最大の極悪人でブッダを殺そうとした有名な仏敵と知りました。北斎によって無間地獄へ叩き込まれていました。…あぁ無情
2023/10/19
ゆきこ
江戸時代に描かれた読本の挿絵を約100点収録。挿絵の見所や物語の解説もわかりやすく、とてもおもしろく読みました。一瞬を切り取ったかのような「動き」を感じられる挿絵たち。細部まで工夫されたこだわりの構図やデザインにも驚かされました。ユーモラスでおしゃれな目次と口絵が特にお気に入りです。
2019/03/25
あおい
葛飾北斎や歌川豊国らが描く版本の挿絵。生首、幽霊、妖怪…すごい迫力。恐ろしいものやちょっとコミカルなものなど作品のあらすじと共に紹介されてます。
2016/05/21
テイネハイランド
本書は江戸期の読本の挿絵について、豊富な図例を用いて解説した本ですが、説明がとてもわかりやすく、情報量も大変多く、読んでいてとても楽しめました。葛飾北斎の挿絵が重点的に紹介されていますが、その絵をみるとやはりその実力は他の画家と比べて段違いだと感じます。美術の専門家の書いた本というと、過度に衒学的だったり説明が退屈なイメージがありましたが、本書についてはいい意味で裏切られました。著者の別の本もぜひ読んでみたいと思います。
2017/05/04
たみ
茶化しのきいた軽妙な黄表紙・洒落本。規制が厳しくなってから出版された合巻。合巻の代わりに注目され絵を見ながら入り組んだ筋を読んで楽しまれた上方発祥の読本(ヨミホン)。この本では合巻と読本の挿絵が主に紹介されていました。遠景や彼岸の風景を薄い墨で、近景や此岸は濃い墨で、板やふすまで描かれた遠近法、風や光の渦や線。絵と一緒に書きこまれた文章が読めたらなぁと思いながら、解説におんぶに抱っこの私のような素人でも楽しめるド迫力なのです。葛飾北斎に圧倒される。あらすじ、読本略年表つき。幽霊は妖怪に入らないに一票!
2015/08/29
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