続・悩む力 (集英社新書)
続・悩む力 (集英社新書) / 感想・レビュー
優希
『悩む力』の続編ということもあり、より深く悩みながら生きることを論じています。3.11後の現在、戦後よりも厳しい世の中となったと語り、幸せの感情を取り戻せるかを夏目漱石をキーワードに考えていく。「幸福」や「態度」といったテーマが著者なりの言葉で紡がれているので強くメッセージ性を感じました。震災により、不安が大きくなりつつも、その悲観論を受け入れて生きることを突き詰めるのが今を生きるための必要性なのかもしれません。漱石の100年前の言葉が重なる現実は、人の本質は時代を超えても変わらないのだと思わされます。
2016/10/19
mitei
今の社会の気分は実は100年ほど前からあったものが今は全員が享受しているという主張に納得。もはや成長する心の寄りべがないんだろうなと思った。
2012/07/12
メタボン
☆☆☆★ 世間に蔓延る安直な幸福論に真っ向から挑む書。故にその表題も「悩む力」。グローバル化した世界で直接アクセス型社会となった現代、気づけば我々は「失郷者」になっている。これが人々の孤独感を強め、精神の不安定を助長している。誰にでも差し替え可能な、人が商品化された経済のシステムが人の尊厳を損なっている。人間の真価は「態度」にある。一回性、唯一性のなかで生きる我々だからこそ一瞬一瞬の態度が重要。安直な幸福の方程式に自分を当てはめて自分をダメだと考える自己追放型の思考から脱却し「二度生まれ」の人生を生きる。
2021/05/07
AKIKO-WILL
先にこちらを読んでしまいました!「続・悩む力」著者が語る漱石やウィーバーを読んだ事もないので色々引用されてもピンと来ない箇所はあるけど、今現代に生きる人たちに伝えたいことは何なのか?著者が語る人間の3つの価値「創造」「経験」「態度」何かを創り出す創造とそれに必要な経験をして人生に重みが出てきますが、その創造や経験するのに大事なのは人に気遣う態度!そして未来ばかりみるのではなく過去にも目を向ける事も重要だそうです。一回限りの人生を大事にするには未来よりも過去を大事にする。この本をキッカケにここで紹介されてい
2014/03/03
抹茶モナカ
夏目漱石、ウェーバー、フランクルといった先人の言葉を引用しながら、悲観論を受け入れ、なお、より良い生を探究する一冊。一度死んだものとして、新たな気持ちで生き直す『二度生まれ』という考え方を知れただけで、大きな収穫だった。若い頃から、落ち込みやすい方なので、読んでみたけど、夏目漱石の苦悩の深さからすると、僕の苦悩なんて、とも思ってみたり。
2016/10/05
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