同期生 「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年 (集英社新書)
同期生 「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年 (集英社新書) / 感想・レビュー
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
1967年、集英社が少女漫画誌『りぼん』で催した新人漫画賞の第一期生としてデビューした三人の半生記。村上水軍の末裔を母に持つ岡山生まれの『藤本典子』は、『一条ゆかりの奴隷』として、描く事で自身が抱える業を昇華した。少女漫画からレディースコミックに転じたもりたじゅんは、自身の作品作りと並行して夫・本宮ひろしを支えた。やがて夫に才能の枯渇を指摘され筆を折る。高校時代、漫画賞の懸賞ハンターだった弓月光は少女漫画から青年誌へ移行し、どちらでも『浮いた存在』として50年のキャリアを重ねる。サブカル史としても好著。
2015/12/15
むつこ
ジャンルは違えど各雑誌で活躍した3氏のきっかけは「りぼん」の新人賞。どの人も動機が賞金額の高さだったと言うのが面白い。同じ時代を生きても、感じ方もそれぞれでいい。
2016/02/07
neimu
涙は出ないけれど、胸が熱くなる。彼らがデビューした日を知っている。隣から借りたフレンド、小学校でのリボンを回し読み。小遣いでマーガレットを買った日、別マ、コミック、花とゆめ。様々な漫画雑誌が生まれては消えていった。あの当時、どんな雑誌で誰が活躍していたか、様々な人の名前が懐かしい、走馬燈のように蘇る作品群。スポ根や乙女チックな世界について行けない私を満たしてくれたのは、この3人とキャベツ畑の住人達、漫画の世界を切り開いていった人たち。私は一読者としてただただ半世紀を振り返る。
2012/10/14
青龍
中古書店にて購入。初めて「りぼん」を読んだのが、昭和40年代の終わり(それまで、少年漫画ばかり読んでいた)だった。(→当時小学校高学年)衝撃的だった、一条先生が描く女性の強さ、弓月先生の人物のラインの特徴など、何となく「新しい少女漫画」と感じていたことの理由が分かり、興味深かった。私も「りぼん おとめちっく路線」についていけなかったな。
2017/10/25
Shimaneko
「りぼん」「週コミ」「別マ」「コーラス」「YOU」と、少女マンガを40年近く読み継いできたファンには、たまらなく面白い企画本。予想通り、一条ゆかりのエッセイが一番読みやすく、中でも彼女のセルフ・プロデュースにまつわるエピソードや徹底したプロっぷりは、読んでるこっちまで気持ちいい。マンガファンのみならず、クリエイティブ系やエンタメ業界で働く30代以上なら、共感できることがきっと多いはず。デビューから45年を経て、いまだ最前線で現役バリバリって人は、どんな分野だろうがやっぱり凄い。
2012/11/10
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