人間って何ですか? (集英社新書)
人間って何ですか? (集英社新書) / 感想・レビュー
tetsu
★4 夢枕獏の対談集。 夢枕獏の小説はあまり興味がないが、対談相手はどなたもなかなか魅力的。 宇宙物理学者佐藤勝彦との対談のエントロピー増大に関する話はとても面白く、このような発想で生命を捕らえることができるのかと驚く。 エントロピーが増大する過程は、一見矛盾するようだが、非常に効率よく秩序を持った方法で行われる。なるほど。
2016/02/09
ぐうぐう
夢枕獏がホストとなって、脳科学者、物理学者、考古学者、宗教学者、芸人などなど、各界の識者に専門分野について語ってもらう新書。このインタビューにはひとつのルールがある。それは、タイトルにもなっている「人間って何ですか?」という問いを、必ず最後に投げかけることだ。その答えから、それぞれの専門分野が浮き彫りとなり、理解が深まるという仕掛けだ。そしてその答えの多様性こそが、人間に対する理解をも深める。夢枕獏の、未知なるものを知りたいという好奇心もまた、人間そのものを感じさせる。
2014/05/07
怜
夢枕獏が、脳科学、宇宙学、生物学、海洋学、宗教家、芸人の第一人者とそれぞれ対談する「人間ってなに?」面白かった!脳科学の「人の心の動きは脳の働きによるもので、行動は後付」っていうのにはなんとなくしっくりこないけど。生物学の長沼さんの話はとてもわかりやすかった、でも最後のビートたけしが一番面白かった。
2014/07/27
豆ぽち
一時的にエントロピーの低い秩序のある状態になった方が、かえって効率よくエントロピーを増大させる。宇宙はビッグバン以降、全体のエントロピーがどんどん増大しているのだけれども、もっと速く無秩序にするには、局所的に生命のような秩序を作っておいた方が、宇宙は速く老化するのです。『私たち生命は宇宙を効果的に老化させるために存在している』!!!
2016/01/23
不羈
ホント、人間て何なんだろう?本書を読んだからといって答えがあるわけでなく、それぞれの立場というか価値観をベースに考えを述べてくれている。作家夢枕獏氏と8人の著名人との本のタイトルを題材にした対談集。それでも特に、幹細胞生物学者の八代さんが述べていた「『生命とは何か』という問いを立てること自体が境界を作る行為にほかならない」が哲学的な気付きを与えてくれた。
2015/04/03
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