3.11後の叛乱 反原連・しばき隊・SEALDs (集英社新書)
3.11後の叛乱 反原連・しばき隊・SEALDs (集英社新書) / 感想・レビュー
showgunn
政治的な知識がまるでないので大変読むのに時間がかかったが、「3.11後の叛乱」の当事者の野間氏がその叛乱について語ったことを笠井氏が解説していく、という認識でよいのでしょうか。 直接運動に関わったわけではないけど、Twitterなどでその様子をリアルタイムで眺めていた者としてはなるほどと思う箇所がいくつもありました。
2016/09/14
浅香山三郎
ヘイトデモ、ヘイトスピーチに対してカウンター活動をしてゐる団体、といふくらいしかしばき隊については知らなかつた。本書はその実践、経緯、コンセプトを野間さんが、それらを含む〈2011〉といふべき運動の性格や意味を笠井さんが主には考へる、リレー形式の思索をまとめた本。 フランスの「四季協会」との類比により、「しばき隊」的なものの非党派性を論じる笠井さんの話が興味深かつた。 今後の政治に対する「運動」のあり方を考へていく上でも大事な論点が多く、これからも参照したいと思ふ。
2017/06/07
ポン・ザ・フラグメント
フランス革命からの連続性において2015を捉えようとする笠井と、通時的にも共時的にも不連続であろうとする野間。いずれが正しいとかいう問題ではなく、何だか噛みあうことなく終わってしまう往復エッセイ。ブランキやローザ・ルクセンブルクが出てくるのは面白いけれども、結局学生が主体とならなければ「叛乱」が存在しえないというのであれば、この国の状況には1968から大きな変化はなかったのかもしれない。中国古典思想のように無事を最高とする思想によれば、それは決して悪いわけではないのだが。
2016/10/17
田中峰和
2011年はウォール街占拠のような大衆運動、エジプトのムバラク打倒やイギリス暴動など世界中に大衆蜂起がおこった年だ。日本でも3.11をきっかけに反原発連合が国会前に集合した。本書は作家の笠井潔と活動家の野間易通が往復書簡の形で意見を述べ合う形式。野間はレイシストをしばき隊の発生と変遷を自らの体験を交えわかりやすく解説してくれるので面白いが、笠井の語る革命の歴史は知ったかぶりの老人の講義を聞くようで辛い。フランスの社会主義者ブランキーの秘密結社やロシアのボルシェビキとしばき隊の共通性を見出すのは無理がある。
2017/04/26
新空调硬座普快卧
笠井潔の政治思想的立場を初めて理解できた。笠井の本は難解というイメージがあるが、本書は笠井入門としていいかもしれない。また、野間らに批判的な小生の立場からみて、読む前は、笠井は野間らの運動の表層しか見ていないのではないかと思っていたが、そうではなく、笠井は、野間らの運動を子細に観察し、積極的に支持していることがわかった。したがって、小生は笠井とは非妥協的な立場の違いがあることも理解した。では笠井の議論はどうかというと、SEALDs等を持ち上げるために無理しすぎだと思う。
2018/02/06
感想・レビューをもっと見る