戦後80年はあるのか 「本と新聞の大学」講義録 3 (集英社新書)
戦後80年はあるのか 「本と新聞の大学」講義録 3 (集英社新書) / 感想・レビュー
呼戯人
「戦後80年はあるのか」という表題の通り、危機の淵に立つ日本の諸相を分析している諸論考が刺激的である。戦争へと向かう日本、戦後の処理を誤った日本、子どもが生まれない日本、日銀の破綻へと向かう日本、立憲主義を壊す日本、そうした戦後80年がはたして本当にありうるのかという根本的疑問を呈している諸論考はまことに刺激的である。改憲勢力が議員の三分の二を超えた今、新たな戦前が回帰してきているのではないか、新たな破滅へと向かっているのではないか、この本を読むとそういう不安が募ってゆく。
2016/08/31
Nobu A
「本と新聞の大学」シリーズ第3巻読了。16年刊行。ここまで巻付けしてきたが、期別けで本書は第4期、そして「講義録」タイトルでない前日譚があることに気付く。先に言ってよ。分かり易く毎巻末に紹介付けといてよ。と言うことで第4期の本書は「戦後の日本」がテーマ。まだ記憶に新しい集団自衛権問題等も扱われて興味深いが、かなり壮大且つ複雑な命題。内田樹先生の真摯に内省する比較敗戦論と上野千鶴子先生の人口減少に有効な政策介入なしとシングルマザー支援の国際比較が特に瞠目に値する。さて、第1期だけ所蔵なしは良くないよな。
2024/03/21
蓮
憲法、歴史、経済、家族、様々なテーマについて、各論者が戦後、そして今を語る。内田樹「比較敗戦論」が特に興味深かった。日本は本当に戦争を総括できているのか。「戦後」とは何か、「戦後」は続くのか。
2017/10/03
おらひらお
2016年初版。いつまでも戦後といえるようにありたい。
2019/03/02
三上 直樹
多彩な講師陣による「戦後80年」をテーマにした講義録ですが、執筆から2年たって残り8年となったところで、安倍総理から2020年の改憲施行という発言に対しては、まったく無力としかいえない古書となっていることに、危機感を感じます。どんな問題があっても、この戦後は終わらせない覚悟をもたなくてはならないと思います。
2017/05/06
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