子規と漱石 友情が育んだ写実の近代 (集英社新書)
子規と漱石 友情が育んだ写実の近代 (集英社新書) / 感想・レビュー
ドルフィンマン
正岡子規と夏目漱石の間で、どのような近代日本語の表現の水準が生み出されたのか記述されていました。
2016/12/03
かふ
日清戦争に正岡子規は従軍記者だったが喀血してそれ以後病床の人となった。そして従兄弟の文学的盟友でもある古白藤野潔が自殺。失意の子規に励ましの手紙を書き、漱石と子規との手紙の交流は子規の死まで続く。子規は俳句のみならず、文章表現の革新をするために実作者であると共に批評家だった。当時子規が熱中したベースボールにあやかるなら「チーム」子規、それが「ホトトギス」という表現の場(フィールド)だった。選手でもあり監督でもある子規とエースで4番の虚子。打撃のセンスが光る3番碧梧桐とか。
2019/03/19
はづき
壮絶を、活写し、乗り越えようとする子規と、それを精神的に支える漱石。日本の近代が生まれる一側面。
2017/02/16
袖崎いたる
子規と漱石の熱い友情という近景と日本の文明化という遠景、その間に文学で現実を生活することが中景として描かれてる。西洋の文学論と同様に、子規においても重要なのは読者の側。絵画のように表象を写す写生の技法というのも、その場合作者と読者の間とを交通しうる同一の言語内的な記号性の仮託かもしれない。そしてその交通可能性を鍵語にしてみると、子規がメディアの人間であることで、彼が近代化における思想の流通可能性へと期待を寄せていたこととの関連を窺うことできる。とはいえ漱石への子規の文学的影響作用については密度低し。残念。
2016/12/04
nnnともろー
この二人に、秋山兄弟はどうのようにからんだのだろう。
2016/11/22
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