アジア辺境論 これが日本の生きる道 (集英社新書)
アジア辺境論 これが日本の生きる道 (集英社新書) / 感想・レビュー
Isamash
内田樹と姜尚中の対談本。東京都と熊本県と違い有るが共に1950年生まれ。2017年発行。民主主義と独裁政治は対立概念ではなく、独裁政治は民主主義の中から多くが生まれている。迅速な決断を是とするマスメディア的思考が多面的議論重視の民主主義を阻害している。国会議員の劣化は意図的で、その報道も意図的になされているといった、内田の指摘には唸らされた。また,同一労働同一賃金というもっともらしい掛け声の裏に、結局高い方へ注目集まっての、巧妙な賃金引き下げの意図が有ると指摘。確かに官僚はこういう知恵は上手いと、納得。
2023/09/03
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(憶測で語っちゃいけないことを)憶測で語っているような印象もありつつ、それでも参考になる点は多かった。「中国は東海進出に興味なし」とのことだが、新聞報道によると、豪州やNZで親中政界工作(シャープパワー)はしているようで「南下政策」には熱心なのかも。佐藤優さんに聞いてみたい▼戦士も補給も減り続け、督戦隊だけ増えていくダメ出し社会。でも、督戦隊だって彼らなりの「処世術」を使っているだけだとも思う。戦わずして勝つ、が最強の法則になってしまった、というのは短絡的かな。
2018/05/28
犬養三千代
内田樹とかんさんじゅんの対談。 日韓、日台関係を丁寧に重視せよと言うことが繰り返し述べられている。反トランプ、反安倍では内田さんは強烈。韓国は1980年まで、反共法があり、マルクス主義の文献は読めなかったそうだ。そして、漢字を廃止したことで韓国の過去の文献も読めなくなった。 日韓の処方箋は、中間層の再構築。言うは易し行うは難し。というのが私の感想。だけど、明日への希望は持ちたいと思う。
2018/03/26
yoneyama
民主政は説明できるけど共和制とはなにか、三権分立のことか。子どもには独裁制が魅力だが、共和制を運用していくには社会の中に大人の人数がそれなりにいないと不可能。効率的な政策運用や効率的な立法や効率的な司法判断がどうして駄目なの?と思う人が増えた。間違えたら取り返しがつかない国の運営は、株式会社の運用とは違い、長期的な人命の損失に関わる。人は必ず間違えた選択をするということを痛いほど知っている人が大人だ。日本社会が独裁を待望する子ども化したのは小泉政権以来顕著で、共和制に対する理解はそもそもなかったかも。
2024/10/28
NAKY
1950年生れのお二人の対談。世界的な知の劣化、安倍政権の失敗とトランプ米国の迷走、到来した人口減少社会、と話は広がりつつも、韓国台湾そして日本が辺境国同士の繋がりを築くことに突破の道はあるのではという。一つ一つ同感だし、それは当然で内田先生の言葉をある時は咀嚼しある時は受け売りで形成してきたのが自分だから。効率化迅速な意思決定という一見もっともな言説にクエッションを投げかける逆説的しかし実は深い知性に基づく考察の数々。人生死ぬまで勉強せねば。
2017/08/23
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