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十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」 (集英社新書)

十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」 (集英社新書)

十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」 (集英社新書)

作家
西村京太郎
出版社
集英社
発売日
2017-08-09
ISBN
9784087208955
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十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」 (集英社新書) / 感想・レビュー

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kinkin

ミステリー作家西村京太郎氏が体験した戦争について描かれている。戦争のことを語るということは戦争を体験したものでないと書けないと思う。過去の戦争について過ちや反省という言葉が使われるがそれは体験していないから使えるのかもしれない。鴻上尚史の本で読んだ特攻の方もいろんな体験をしたにも関わらず当時のことをあまり語ろうとしなかったという。戦争に対して饒舌に語れば語るほど無責任かもしれない。個人がとにかく戦争という愚かな行為を考えることがいちばん大切だと感じた。

2018/01/14

あすなろ

昭和20年、私は陸軍幼年学校にいた。陸軍幼年学校とは?という点から手にした本。陸軍幼年学校卒は、自ら陸軍エリートを意識し、昭和維新中核を意識したという。結論から言うと、もっとここを書き込んで頂きたかった。少し焦点散漫な西村京太郎二次大戦論。しかし、桶狭間の戦を好む陸軍・戦闘機を二種持った陸軍と海軍・国内戦と国際戦の意識相違・日本の軍人は死を生の上に置く議論・永田鉄山の考え等興味深く読了。いろいろ書き連ねの集積本。総称して、西村論では、日本人は平和に向いているのである、と結んでいる。

2017/09/03

Willie the Wildcat

淡々と語る半生に垣間見る大戦を挟んだ”変化”。衣食住に教育・仕事。踏まえた大戦への考察。『戦陣訓の罪』は、現代にも繋がる悪癖という感。物理・心理の両面での”縛り”。言うまでもなく、著者自身も戦前・戦中に感じた矛盾も呪縛下の話。一方、著者出世作にも繋がる”ブルトレ”の件は、”縛り”への対照であり皮肉と解釈。先人の残す様々な形での教訓を、もれなく活かしていくのは当然の義務ですね。

2017/09/29

rico

西村京太郎さんと言えば鉄道ミステリーのイメージだけど、陸軍士官学校出身だったんですね。士官学校時代の話はわりと短くて戦後の記述が長め。最前線に出る前に終戦を迎えたこともあって、戦いの悲惨さよりも、軍人や教師、政治家たちに対する批判的考察が中心。少し物足りない感じもするけど、あの戦争について直接語り得る最後の世代の意地を感じる。それにしても、権力者が責任をとらないとか、精神論が跋扈して冷静な分析ができないとか、忖度で事が動くとか・・・この国は情けないぐらい変わっていない。

2018/08/16

slider129

先の大戦をテーマにした本は数多くあるが、史実を知識として受け取る事は出来ても、当時を生きた人が経験したであろう、時代が持っていた空気や当時の感情まではなかなか伝えてくれない。あの時代、亡き父は南方へ出征していたが当時のことは黙して語らず、また亡き母は疎開していたので都会の空襲の地獄は経験していない。そんな戦争経験者がこの数年でいなくなるであろう今の時代に、語る事が出来る語り部の言葉や、文章で残す事が出来る西村氏のような作家が書き残してくれる本書のような存在がとても貴重に感じる。いい本を書いて下さった。

2017/08/31

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