国体論 菊と星条旗 (集英社新書)
国体論 菊と星条旗 (集英社新書) / 感想・レビュー
KAZOO
若手の日本政治学者のかたのようで初読です。先日ラジオ深夜便で保阪正康さんとの対談を2日連続で聴きました。久しぶりに日本をこのような分析をしてくれる学者が現れてくれたのですね。とくにアメリカの立ち位置と日本の天皇を中心とする「国体」というものがどのようなものかということが理解できる気がしました。神島二郎さんの「近代日本の精神構造」を初めて読んだときと同じような大きな印象を受けました。「永続敗戦論」も読んでみようと思いました。
2018/09/02
とくけんちょ
国体とは何なのか。民主主義とは何なのか。本書では、戦前から戦後まで、いわゆる国体の変革を丁寧になぞっている。今の日本は、独立国家と言えるのか。このテーマは、テレビや雑誌、あらゆるところで討議されている。ただ本書にもあるように、隷属、つまり、本当の奴隷というものは、自身の立場に満足し、さらに自身が奴隷であることを否定する。いろいろ考えさせられることがある。国民である以上、考えたってどうにもならないと思うことが一番の罪である。
2018/09/30
燃えつきた棒
白井氏の本論、舌鋒鋭く、極めて痛快。胸中のモヤモヤが一挙に晴れた。 彼は、日本人の誰もが薄々感づいてはいるが、決して言葉にしようとしないおぞましい真実を白日の下に曝した。 彼は、言う。 『要するに、日米安保体制を最重要の基盤とする戦後日本の対米従属体制(永続敗戦レジーム)を、戦前からの連続性を持つ「戦後の国体」であると筆者は見なしているのである。』(第二章 国体は二度死ぬ) 『その最も見やすい例を挙げるならば、日米安保条約に附随する取り決めである日米地位協定の著しい不平等性である。』(同上)
2018/06/22
きいち
16年夏の「おことば」。長年の行動に裏付けられたあの<私は象徴天皇をこうとらえている、みなさんは?>の問いに、永続敗戦論の著者が真正面から応える。「日本の失敗」を生んだ帝国憲法の欠陥、組織内の各人が責任と主体性を持てない構造にあったことが、「天皇」がアメリカに変わっただけでそのまま維持されており、機能不全を起こしているという指摘。日本会議系の人たちがなぜあんなにアメリカ好きなのか腑に落ちる。◇国体への囚われをなくすのに必要なのは、それぞれが大上段に構えずに現場で責任を負うことだと思いながら読む。国より個。
2018/08/25
とよぽん
日本という国を正面から見据えたすごい本だった。副題の「菊と星条旗」の意味するところが分かり、戦慄を覚えた。最初から最後まで、圧倒された読書だった。明治維新の頃をもう一度確認してから、再読したい本。
2018/09/01
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