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源氏物語を反体制文学として読んでみる (集英社新書)

源氏物語を反体制文学として読んでみる (集英社新書)

源氏物語を反体制文学として読んでみる (集英社新書)

作家
三田誠広
出版社
集英社
発売日
2018-09-14
ISBN
9784087210507
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源氏物語を反体制文学として読んでみる (集英社新書) / 感想・レビュー

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佐島楓

そういわれると、源氏物語は私のなかで「源氏物語」という固有名詞であり、それ以上でもそれ以下でもなかったことがわかる。固定観念を揺さぶってくれる作品。

2018/10/03

Isamash

作家の三田誠広による2018出版年著作。源氏物語の成立背景にアンチ藤原の思いがあると説いている。後宮に勤めている女官達は高貴ながら当時経済的に恵まれていない家庭源氏系が多かったらしく、その方々が最大の聴き手・読者であり、彼女達の夢や希望の書であったと。しかし源氏系の家に事実上養子に出されていた藤原道長が兄達の死亡もあり権力奪取のチャンスが来る。嫁に出していた娘彰子の元に文学好きの一条天皇が来る為の戦略商品として源氏物語に目をつけ紫式部を彰子付きの女官としたと。戦略は成功し後に天皇となる男児を懐妊。面白い。

2023/09/24

T66

源氏物語好きとしては押さえねば、と思い読んでみたけど、日本史にそう詳しくもないので正直難しかった?反体制、ってのもよく分からなかったし。それでも、「宇治十帖」で雰囲気がガラッと変わる背景は面白かった。聞き手の女房の層に合わせて登場人物を設定してる、というのも面白い。あとは、白河院と璋子の話は驚き。リアル紫の上ではないか!「輝く日の宮」と合わせて、何か本を見つけて読んでみることにする。小さいけどマニアックな知識が得られたのは良かった。図書館本

2019/02/19

TheWho

日本文学史上燦然と輝き、かつ世界に誇れる名作「源氏物語」の成立と平安時代の時代背景を絡ませた正に大河ドラマ「光る君へ」の副読本とも云える源氏物語読本。時に摂関政治の全盛期にありながら何故主人公が光源氏なのか?それは、藤原摂関家が興隆と共に臣籍降下した「源氏」の没落の悲劇があり、その恨みが源氏物語が大ブレイクした要因でないかと著者は類推する。確かに紫式部が縁を持った源倫子やその女御達は全て源氏一族であり、彼女らが源氏物語の最初の読者であった事は否めない。大河をより理解する一助になる1冊です。

2024/02/13

わいほす(noririn_papa)

歴史家でなく小説家が「源氏物語」の書かれた時代の背景を紐解いているので、登場する男も女も皆生き生きとしていて面白い。歴史家のように彰子、倫子をしょうし、りんしと読まず、あきらこ、ともこと読ませるところにも女性を人として描き出そうとする意図を感じる。歴史の勉強では出来事と人名のみですっと過ぎてしまった平安時代の政治や文学、天皇の外戚となるための魑魅魍魎とした姻戚関係などを、物語のように読ませてくれるので、百人一首の歌人の一人だった男たちまで人間味を帯びてみえてくる。複雑すぎて、すぐ忘れそうだけれど(笑)

2018/12/08

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