メディアは誰のものか――「本と新聞の大学」講義録 (集英社新書)
メディアは誰のものか――「本と新聞の大学」講義録 (集英社新書) / 感想・レビュー
けんとまん1007
一人一人のものだと思う。ただし、そこが希望でもあり、危険でもある。ジャーナリズムとは何か・・・ここに尽きるのだろう。自分で考えることを嫌う風潮が嫌な思いにつながる。新聞を代表とする文字文化を大切にしたい。そこには、エネルギーが必要だと思うのが理由。しかし、画像をメインとした表面的な短い時間のものを、繰り返し流されることで、人は考えなくなるのではと思う。SNSの危険性、それは、同じような系統の情報になってしまいがちということ。ランダムに・・・という視点がないと危険だ。
2021/09/04
ひよピパパ
表題テーマのもと、2017年から2018年にかけて開講された「本と新聞の大学」で講演されたものを一書にしたのが本書。メディア界の第一線で活躍するメディア人、評論家、研究者の熱いトークが臨場感そのままに感じることができる。トランプ大統領に絡む「フェイクニュース」問題や森友文書書き換え問題などを通してメディアの本質的問題に切り込む。本来政治を監視するはずのメディアのもつ意義が時代の流れとともに変容しつつあるさまを目の当たりにして、考えを深めることができた。
2024/06/08
Nobu A
「本と新聞の大学」シリーズ最終巻。本書で一旦打ち切るのだとか。やや残念だが、同時に潮時かも。改めてまた始めて欲しい。問題だったタイトルが今回一番絞ったもの。比較的読み応えがある論考が多かった。池上彰の体験談も面白かったし、青木理の「メディアと権力」と林香里の「日本のおける『メディア不信』、その行方」の両方が基本的な定義や概念を押さえた上で問題点を解説しているので分かり易く勉強になった。情報格差が広がる現代、ネットの巨大な影響力を改めて痛感。メディアは権力監視する国民の番犬であるべきだし、そうあって欲しい。
2024/04/18
Melody_Nelson
様々なメディアの問題点や課題などについて複数のジャーナリストが語っていて、わかりやすく、面白かった。新聞やテレビなどの旧メディアもまだ影響力はあるらしいが、政権からの圧力や自主規制など問題が多い。また、上層部と現場の記者の意識の乖離もありそう。一方のソーシャルメディアも、フェイクニュースやフィルターバブルなど問題がある。とりあえず、日本も記者クラブ制度を廃止して、もっと自由に報道する環境にすべきでは。メディアは権力を監視するのが役目の1つなのだから。
2019/04/21
mintia
刑事司法の問題点として「人質司法」について言及していた。また、権力側の番犬としてのジャーナリズムが必要性を痛感した。ネットは出版や放送と異なり、情報の即時性はあるが信頼性は劣る。そのため、偏った情報の収集をするのではなく、広く冷静にフェイクニュースに騙されないように注意したい。
2020/01/19
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