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最後の文人 石川淳の世界 (集英社新書)

最後の文人 石川淳の世界 (集英社新書)

最後の文人 石川淳の世界 (集英社新書)

作家
田中優子
小林ふみ子
帆苅 基生
山口 俊雄
鈴木 貞美
出版社
集英社
発売日
2021-04-16
ISBN
9784087211634
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最後の文人 石川淳の世界 (集英社新書) / 感想・レビュー

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tamami

本書は、09年末に行われた石川淳関連のシンポジウム参加者により執筆された内容をまとめたもの。当方、昔『夷斎俚言』等の夷斎もの?に些か関心を持ち、文中の漢語が読めたと喜んでいた程度の読者。最初は、大学の先生は面白い小説でも難しく語るものかなと思わないでもなかったが、作家の生涯における江戸文芸・文人との関わりや「自由」を巡る作家の思い等について、作品の詳細な分析を通して記され、改めて作品の読み方を教えられる。巻末に、石川淳作品リストが挙げられていて、難しいけれど面白い夷斎先生の世界への格好な案内となっている。

2022/05/04

かずりん

クローバリズムと新自由主義が世界を覆い、閉塞感・分断・格差が拡大する中、本物の自由とやらはどこに求めればよいのか、精神的な自由(知的自由)「絶対自由」に向け「精神の運動」を重視する姿勢が大切だと説く。5名の識者がそれぞれ角度を変え石川淳の考え方に迫る。自分の位置から脱出して動いていくこの動きを「運動」「絶対自由」とする。江戸時代の蘭学者はまだ形の定まらない知識の断片にこずき回されながら、めっぽう面白いとする。どのような動きを作り出したか、どの動きにどう乗ったかに目を凝らすべきだと。目を覚まされる一冊だ。

2021/06/08

shouyi.

石川淳について5人の学者が述べた書。象徴的手法で知られる石川淳。いうまでもなく小説家だが、随筆や評論もワクワクするほどにことばに力がある。この本は小説しか述べていないが、こちらもぜひ解説する続編を請いたい。

2021/07/02

Hiro

先日石川淳の長編をひとつ読んだだけの私に、本書はいささか難しかったと言わざるを得ない。石川と江戸文学の関わりを論じた前半は特にそう。だが独立不羈、自由と不服従を信条とする(というのも本書で知ったのだが)石川淳の著作をもっと読んでみたいという一心で最後まで読むことができた。狂風記やその他の短編群を語る後半の論説はどれも難解だが興味深く読んだ。アナロジーや対比やアイロニーに富むという石川の作品をこれから少しずつ読み解いていきたいと思う。

2021/10/09

Go Extreme

絶対自由を生きる:天馬賦 精神の運動 江戸文化 江戸の方法 石川淳の〈江戸〉をどう見るか:江戸のはじまり 市井の学者たちの江戸研究誌 古典籍から発想する方法 あえての誇張・作為 南畝との距離と関係性 視座としての南畝 石川淳『狂風記』論―〈江戸〉がつなぐもの:現代の八犬伝 パロディーの創造性と批判性 古くて新しい人間観  石川淳流〈不服従の作法〉―「マルスの歌」:同調圧力に抗して たとえば「文学」たとえば「佳人」―総合的石川淳論の方へ:石川淳没後 江戸に留学 学識の構え 総合小説 精神の運動 たとえば佳人

2021/07/17

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