KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

ポストコロナの生命哲学 (集英社新書)

ポストコロナの生命哲学 (集英社新書)

ポストコロナの生命哲学 (集英社新書)

作家
福岡伸一
伊藤亜紗
藤原辰史
出版社
集英社
発売日
2021-09-17
ISBN
9784087211856
amazonで購入する Kindle版を購入する

ポストコロナの生命哲学 (集英社新書) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

どんぐり

ピュシス(physis:自然)対ロゴス(logos:理性)というギリシャ哲学から、ピュシスとしての自分の身体性を信じてリスクを受容しつつウイルスとの共生(動的平衡)をめざす福岡伸一。「思い通りにならないものこそ制御するのではなく話を聞かなければならない」と身体感覚に並々ならぬ思いをもつ伊藤亜紗。「コロナに打ち勝つ」ためならある程度人権を制限することは仕方ないという空気が広がっていることに警鐘を鳴らす藤原辰史。この3人の論考と鼎談が、コロナ脳にパンパンに膨れ上がった日本人の思考にゆさぶりをかける。→

2021/12/24

きみたけ

著者は生物学者の福岡伸一先生、美学者の伊藤亜紗先生、歴史学者の藤原辰史先生。NHK「コロナ新時代への提言2」の番組内容に加え、新たに鼎談を行い大幅に加筆修正した一冊。「ピュシス(自然)の歌を聴け」、新型コロナのパンデミックによりロゴス(論理)による社会システムが破綻し人類は危機に追い込まれた。この危機はパンデミック以前から存在していた社会のひずみが顕在化したに過ぎないとのこと。「風の谷のナウシカ」からその答えを探ります。「ある国の文明度を測る唯一の基準は、弱者に対して国がどういう態度を取るかだ」が印象的。

2022/01/03

けんとまん1007

数年前から著作を読み続けているお三方。安心を求めれば信頼が失われる。道徳と倫理を区別する。自らの身体感覚として受け止める。きれい過ぎる世界への違和感。などなど、身体的・心的・知的刺激満載。そして、重要な言葉が「利他」で、自分の中で一番大切にしている言葉でもある。揺らぎの中で、自分自身の身体性でどう感じ・考えるのか。ここに、立脚する視点があると思う。この2年間を経た今だからこそ、この本の意味が大きくなっている。

2022/03/19

ta_chanko

コロナ禍や気候変動など、現在の人類の危機はロゴス(論理)に偏った文明のあり方が招いたこと。すべてロゴスでコントロールできるというのは人間の思い上がり。環境・身体・ウイルスなどのピュシス(自然)は、ロゴスでは捉えきれない存在。その声を聞き、利他的な精神で共に生きていくことが重要。ナウシカのように。

2021/11/22

大先生

【人間は自然(ピュシス)をロゴスでコントロールしつつも、しきれない。ロゴス的に走りすぎれば自然の逆襲を受ける。今回の新型コロナも逆襲であり、過去のスペイン風邪や新型ヤコブ病も同様。我々は自然とロゴスのバランスを取りながら、ピュシスの歌を聴き、相互に利他的に共生していく。】本書では「利他」が1つのキーワードとなっていますが、究極の利他行為は「死」であるとの指摘も。生命系全体にとって個体の死は他の個体にニッチ(生態的地位)を手渡し自分が占有していた資源を手渡す行為であり、それによって動的平衡が保たれていると。

2022/10/14

感想・レビューをもっと見る