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対論 1968 (集英社新書)

対論 1968 (集英社新書)

対論 1968 (集英社新書)

作家
笠井潔
絓 秀実
外山 恒一
出版社
集英社
発売日
2022-12-16
ISBN
9784087212440
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対論 1968 (集英社新書) / 感想・レビュー

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おたま

1968年当時、笠井潔は共産主義労働者党の学生組織委員長でベ平連にも参加していた。また絓秀実は、ノンセクト・ラジカルとして特定の党派に所属せずに活動をしていた。その二人が、外山恒一の仲介によって対論する。1968年に象徴される時代、全共闘及び新左翼党派の運動というものがいったいどういう運動であったのか、その提起した問題、残した課題等を巡って総括する。どうも「華青闘(華僑青年闘争委員会)告発」が一つの画期となっているようだ。非常に多くの党派が登場してくるので、その辺りは錯綜している。濃密な議論だ。

2023/01/08

秋 眉雄

1968年。戦争バリバリ体験者が大人として世の中を動かしている時代。戦争が始まる前に何も出来なかったという引け目すら有ったとしても不思議じゃない世代が中心の世の中で、若者たちがとる行動について。そういうことについて知りたくて手に取りましたが、頭の悪い僕としては難しい話になるとよくわからない所も多数でした…まあ、八つ当たり的にいえば、このヤクザインテリたち!という感じでしょうかね。そんな二人でした。関連本を読んだ後に、思い出したように立ち返ってみたい一冊です。

2023/10/01

しゅん

笠井潔は「全てを壊したい」という黙示論的欲求に従って全共闘にのめり込み、その反省も踏まえて言葉をつないだ。絓秀実は、運動の中心にいられなかった立場から、その歴史を現在との接点から分析した。二人の全共闘論者を2022年に集合させた外山恒一は企画者として流石だと思う。前世代が半端に済ませた大戦時の本土戦争を、抑圧された戦後世代が爆発させたという世代論。色々と面白かったしとても勉強になってけど、その観点から現在の社会を語るのには無理があるなと思ったのも事実。とはいえ、この歴史を知らんと現在は考えられない。

2022/12/29

hasegawa noboru

1968年当時新左翼活動家だったという笠井潔とノンセクト・ラジカル(なつかしい言葉だ)だったすが秀実、二人による対論。両氏とはふた回り下だという外山恒一なる人が聞き手として間に入る。気炎を上げるオールド”新左翼”がここにまだいた。周縁ともいえぬ、遠くから見ていただけだが、同世代だ。笠井潔の本は一冊も読んでいなかった。<後続世代の若者たちから唾棄される>だけのジジによる全共闘武勇伝かよと思ったが、そうでもない。対談時点の今は2,021年9月だというからウクライナ戦争以前になる、これからの話もしている。

2023/01/29

道楽モン

笠井潔および絓秀実という当時バリバリの学生運動家であった両名を、外山恒一という特異な運動家(両者のフォロワーでもある)のコーディネイトによる当事者証言対談。所属セクトも立ち位置も異なってはいるが、そこは当事者の証言で生々しく状況を解説し、それによって1968年当時の学生運動の流れと状況がよく分かる。そういうことだったんだと、何度も腑に落ちました。文献からのみ纏められた小熊英二の大著『1968』を補完どころか、血の通ったものにする必携の書かもしれない。対談両者ともに学生運動へのノスタルジーなど微塵もなし。

2023/01/21

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