悪寒 (集英社文庫)
ジャンル
悪寒 (集英社文庫) / 感想・レビュー
W-G
広い層に受け入れられそうな作品という印象で、実際売れてもいるらしい。内省的な冴えない中年男性と自己主張ビンビンな女性陣の対比は、なぜこうも鉄板フォーマット化しているのか。話の軸が見えず、賢一が疲れていく描写が続き、途中やや退屈した。裁判が始まって一気にテンポが速くなったが、緩急つきすぎてやや不自然。真相に気づくキッカケなどは本格ミステリ的で「お!」っと思ったが、こういう心理的矛盾をヒントに使うなら、倫子の人物造形に違和感あることが気になる。夫と娘がいたうえで、ああいう行動に走る女性に思えない。
2020/01/23
イアン
★★★★★★★☆☆☆『代償』『痣』と世界観を共有する伊岡瞬の長編。左遷人事で単身赴任となった賢一の元に、妻から不可解なメールが届く。胸騒ぎを抑えられない彼の元にその後届いたのは、自宅で妻が上司を殺したとの警察からの一報だった…。左遷先のパワハラ、家庭内の不和、認知症のオカン…。自身にも原因の一端があるとはいえ、賢一の不遇過ぎる境遇が切ない。犯人の動機に疑問が残るものの、ホワイダニットと見せかけて二転三転するラストにもミステリの醍醐味が凝縮されており、嫌悪感を抱かせる人物がちゃんと登場する、これぞ伊岡作品。
2021/02/28
shinchan
伊岡さんを初めて読みました。非常に読みやすい内容で結末の二転三転には・・・・。犯人を当てるのはなかなか難しいものです。私には???
2020/02/27
馨
ナツイチにて購入した本。先が気になりどんどん読めました。ずっと真相がわからないまま進んでいたけれど終盤一気に加速。振り返ってみたら結構伏線もあったかなと思います。ミステリーだけど最終的には加須区の愛の物語です。真壁刑事が良かったです。大切なことは全部真壁刑事の言葉にありました。
2024/08/12
milk tea
次の展開が気になり最後まで一気に読み進めてしまった。主人公・藤井賢一は社内の不祥事の責任を取らされ、山形へ単身赴任。慣れない営業を担当することになり、一向に成績上がらず支店長からのパワハラを受ける。その頃、妻から要領を得ない不可解なメールが届く。そこから事件へと続く。妻・倫子の身に何が起こったのか?犯人が二転三転?倫子の妹の心に深く刻み込まれている「もらわれっこ症候群」。この真実にも驚いた。一度は家族がバラバラになりかけたけど、安堵感のある結末でよかった。真壁刑事の存在が光ってた。
2020/09/04
感想・レビューをもっと見る