士道太平記 義貞の旗 (集英社文庫)
士道太平記 義貞の旗 (集英社文庫) / 感想・レビュー
だまし売りNo
多くの人々は鎌倉幕府末期の得宗専制には失望し、御醍醐天皇の建武の新政に期待したが、すぐに失望する。後醍醐天皇は人々の期待に応えられなかったが、動機からしてギャップがあった。『義貞の旗』は端的に指摘する。「万民のために地上の幸福を実現することではなく、帝がこの国の主だということを万民の脳裏に刻み込むこと」。
2022/11/20
てつ
何かと好みが別れる新田義貞の話。えらく格好いい。太平記のスピンオフのような展開。面白かった。
2019/10/22
Book & Travel
鎌倉幕府を倒した中心の武将の一人でありながら、意外に詳しく知らない新田義貞を描いた小説ということで、以前から気になっていた作品。義貞目線での南北朝の動乱、太平記の物語が描かれる。ただ500頁を超える大作の割りに物語が薄味に感じられ、終盤の展開もあっけない印象。それでも義貞の戦の遍歴や立場、周辺人物との関係が掴めたのは良かった。義に厚いが政治的駆引きは苦手という人物像や、足利兄弟はもちろん、楠木正成や赤松円心らとも相容れない雰囲気なのは、彼の視点で考えると納得いく感じがして、その点、興味深く読めた。
2023/04/20
如水
前作でボロッカスに書かれた新田義貞が主人公。『これ大丈夫か?』と思いながら読み終わった所…うん、まぁ良く書かれてる(笑)確かに鎌倉幕府を直接滅亡させた、と言えばそうなんだよなぁ…前作と比べて評するならば理(正成・道誉)か義(義貞)か?と言った所でしょうか?歴史を知っている側からすれば『ちょっと余りにも良く描き過ぎ』と思われる所も有った様な気もしますが、物語上では完全なカリスマ・軍神として描かれてます。快男児!!が一番しっくり来る内容ですね。前作との差は…正成と義貞は水と油だった、と言う所で丸く収めよう💧
2021/12/15
TheWho
元弘の乱から南北朝争乱時の英雄である新田義貞の一代記。同じ南朝の英雄である楠木正成と比べ余り英雄視さてていなく、太平記時を扱った多くの作品の中で、常に脇役であり、二線級の人物と扱われている。しかし本書では、貧乏御家人ながら河内源氏の本流を自負し鎌倉陥落を成し遂げ南朝の首領格を勝ち得た英雄の実像を描き切ったとも思えた。また義貞と護良親王との関係も清々しく護良親王生存伝説の一皇子神社の逸話を織り交ぜながら、義の英雄新田義貞に焦点を充てる稀有な作品です。
2022/02/09
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