文庫版 書楼弔堂 炎昼 (集英社文庫)
文庫版 書楼弔堂 炎昼 (集英社文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
前作に引き続いて6つの物語を楽しみました。今回は松岡國男(後の柳田國男)と塔子という若い女性が狂言回しをしています。一つ一つの話に明治時代の結構有名な人物が出てきてこの本屋との絡みでもって楽しませてくれます。演歌師の添田唖蝉坊が出てきたのには驚かされました。作者がすごい勉強家であるというのがわかります。まだ続くのでしょうか?
2020/01/23
Kazuko Ohta
何の知識もなくとも書けそうな本が溢れる今、こんなにも丁寧に書き上げられた本を読むと嬉しくなるのです。しかも単行本をそのまま文庫化するのではなく、文庫は文庫で見開きにちゃんと字が収まっている。この京極さんの凝りようが嬉しくてたまらない。本好きで、想像できたなら必ず足を踏み入れたくなる弔堂。訪れる実在の人物たちは本当にこうだったかもしれません。人が死なねばならぬ義などない。生きてこそ。澤村伊智さんが敬意を表している京極さん。『ししりばの家』を読んだあとこれを読んだら、幽霊いないよと言いたくなってしまう(笑)。
2020/02/13
ポルコ
塔子さんのキャラがとても切なくて可愛いらしいし、京極夏彦大好きな柳田国男が出ずっぱりでパート2もとても楽しめたけど、どうにも同じ表現の繰り返しが、ページ数合わせの水増し感があって、ちょっとイライラ。どうしても長い話にしなくてもいいような気はするけど…それが京極本の宿命みたいなものになってしまったのかも。
2019/12/02
chantal(シャンタール)
最新刊を頂いたので、長いこと読み惜しみしていたこちらを。相変わらず面白い。今回は元薩摩藩士の祖父を持つ塔子がストーリーテラーとなって物語が進む。今回はどんな歴史上の人物が登場するのかと、ワクワクしながら読む。弔堂主人の口を借りて語られる京極先生の死生観や歴史観はやはり興味深く、うならされる。そして本を読むことの素晴らしさを語る場面は感動ですらある。まだまだ未読の積読本がたんとある私。またまた読書欲が湧いてきた。ありがとう、弔堂!
2023/05/26
annzuhime
弔堂2作目。今回は塔子という女性の目線で語られるお話。どれもこれも贅沢な出会い。私はあの人があの人だったなんて最後の方まで気付かなかったから、驚きと嬉しさがありました。勝海舟と平塚らいてうが良かったなぁ。いつも1話読むごとにウィキペディアで調べちゃう。ほんと贅沢でした。塔子はまた出てくるかな。彼女のその後も知りたい。
2021/08/15
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