残酷な王と悲しみの王妃 2 (集英社文庫)
残酷な王と悲しみの王妃 2 (集英社文庫) / 感想・レビュー
坂城 弥生
平穏な生活をおくった王族はあまり歴史の全面に出てこなくて、悲劇的な人ほど後世に名を残している…なるほど。
2021/08/25
るぴん
第2弾。ルートヴィヒ2世は築城と音楽という趣味に没頭できたし、アレクサンドル3世妃マリアは、後年息子一家が革命で殺される悲劇はあったけれど、夫婦仲は良く結婚生活は幸せなものだったそうだし、カルロス4世も妻に浮気されようが毎日大好きな狩猟に熱中できたのだから、わりと幸せな一生だったのではないかな。最後のクリスチャン7世妃カロリーネ・マティルデが最も不憫。恐らくアスペルガーであった夫に耐え、医師の恋人と国の啓蒙を進めようとした矢先、保守派の罠に嵌り23年の短い生涯を終える。まさにタイトル通りの悲しみの王妃。
2020/01/22
けやき
『残酷な王と悲しみの王妃』の続編。今回も悲しいヨーロッパの歴史が語られる。アレクサンドル三世妃マリアとカロリーネ・マティルデが心に残る。
2024/01/24
坂城 弥生
再読。
2023/06/15
みこ
近世ヨーロッパ史の4つの物語。紹介される肖像画は表情から本来祝福される結婚のはずなのに暗い未来を暗示させている。デンマークやバイエルンなど今まで触れることのなかった王室の歴史を解説してくれるので興味深く読める。中野氏は常々絵画は感じたままに見るのではなく描かれた背景を知ってその味わいを堪能するものと語っているが、それは歴史も同じだろう。巻末の年表を眺めただけでは味わうことのできない今も昔も変わらない人間の愚かさや悲哀がそこには隠されている。
2020/02/20
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