KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

父 Mon Pere (集英社文庫)

父 Mon Pere (集英社文庫)

父 Mon Pere (集英社文庫)

作家
辻仁成
出版社
集英社
発売日
2020-07-17
ISBN
9784087441345
amazonで購入する

父 Mon Pere (集英社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ふじさん

パリで生まれ育った僕は、ママを交通事故で亡くして以来、この街でパパと二人きりで生きてきた。70歳を過ぎたパパに健忘症の症状が出始め、僕は街中を駆けまわることになる。結婚を意識した恋人とは恋人同士の両親の複雑な過去が深く関わっていて、悩みの種となる。力みや気負いを感じない、素直で穏やかな語りとパリ在住する作家ならではの細部まで愛情を込めて書かれたパリの街の描写が心地いい。以前にテレビで見た、パリに在住する、辻仁成の親子の姿が投影されているようで微笑ましい。

2021/09/19

niisun

辻仁成さんの作品を読むのは3作目。最初に読んだのは10代の頃、デビュー作の『ピアニシモ』。次に読んだのは20代に、江國香織さんとの共作『冷静と情熱のあいだ』。別に嫌いなわけではまったくないのですが、あまり触手が伸びず、あれから20年。久しぶりに読みましたが、良いですね♪ フランスでの息子“十斗くん”との生活体験が色濃く反映されて作品なので、まちの情景、父子のやり取りが細やかに描かれています。息子目線で話が進みますが、“父”のタイトル通り、物語終盤に父の口から語られる想いがいちばん印象に残りましたね♪

2021/10/08

ちろ

パリに暮らす父子の物語。辻仁成さん初読みでしたが、とても読み心地がよく好きな文章。フランス在住の外国人の暮らしぶりや立場に関心を抱いた。「人生は過酷なのが当たり前。みんな孤独だけど負けないで相応しい幸せを掴めばいい」っていい。年老いていく親をみるのは切ないが、寄り添い折り合いをつければお互いに居心地よく暮らせるように思えた。

2020/08/13

introduction

Twitterで目にする辻さんの文章と所々重なる。自分がシングルファーザーであること、充路の父がシングルファーザーであること。料理好き。今辻さんは息子さんとの関係で悩まれているようだ。思い出して再読。頑張って欲しい。

2021/08/06

su☆ma

★3(図) 海外移住するとか自分の人生では全く想像出来ないから、イメージは解説で書かれていたように憧れや羨望がほとんどを占める。しかし、あらゆる国からの移住者が集まる国では親子でさえも言葉の壁があるのかと気付かされた。日本から移り住んだ父は生活していくための日常会話に苦労し、その国で生まれた息子は両親が日本人でも難しい漢字は読めない。ジュールの恋人の母とジュールの父が漢字で筆談の花が咲くというのは彼らの背景を思えばとても皮肉だ。妻・母を早くに喪った父子の物語。

2020/11/25

感想・レビューをもっと見る