対岸のヴェネツィア (集英社文庫)
対岸のヴェネツィア (集英社文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
内田洋子さんのイタリア暮らしも、もう随分になるだろう。ある時はフィレンツェに、またある時はミラノに、たしかリグーリアの山の中に居を構えていたこともあったし、酔狂にも帆船に住んでいたことさえあった。そんな彼女がこの度に選んだのはヴェネツィアである。半ばは偶然でもあったが、その本島ではなく対岸のジュデッカ島に。彼女の家(それ自体には風情はないようなのだが)から眺めるヴェネツィアの移ろいは組めども尽きぬ魅力に溢れているそうだ。そんな彼女のヴェネツィア暮らしを伝える本書も魅力がいっぱい。なにしろ旅行者の知る⇒
2022/12/07
ふう
写真で見るイタリアはほとんどが太陽の光を浴びていて明るい国という印象ですが、この本で語られるヴェネツィアは観光の街ではなく、暮らしにくさや表からは見えない負の部分なども描かれていて、ちょっと気持ちが暗くなります。でも、それも含めてのイタリアの魅力なのでしょう。驚いたのは、作者が数年間も木造帆船で暮らしていたということ。モンテレッジオの旅する本屋のときもそうでしたが、行動力と本への情熱に感心しました。その情熱に男女は関係ないはずですが、ゴンドラの漕ぎ手に女性はなれないとか。対岸の意味について考えさせられます
2020/08/31
you
いままでとは違うしっとりとしたイタリアだった。いままでは底抜けに明るい人や人懐っこい人、貴族や大富豪等々、ホンマにそんな友人が沢山いるんかいな、とフィクションっぽい感じがあったがこの本では地道な人が多かった。 季節も寒くてジトジトした太陽のない、観光では行かないイタリアが舞台だった。
2020/08/14
takakomama
著者の本を読む度に、思い切りと行動力が凄いなあと思います。ヴェネツィアの離島、ジュデッカ島に引っ越して、辺鄙で不便ですが、水上バスからの風景に嘆息します。観光ではわからないヴェネツィアの日常が綴られています。
2024/08/20
Cちゃん
嗚呼ヴェネチアがイタリアが恋しくなってきた!ヴェネチアのハレとケ、現と夢、観光客として上辺だけでは知り得ないヴェネチアが文章の中から浮かび上がってきます。
2020/08/04
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