短編宇宙 (集英社文庫)
短編宇宙 (集英社文庫) / 感想・レビュー
buchipanda3
多彩な執筆陣にそそられ、中身も多彩で楽しめた。初読の作家さんもいるが、それぞれのらしさが盛り込まれた"宇宙"が描かれていたと思う。加納さん、見事な収束。そして優しい話。寺地さん、まさに寺地さんの物語。あの3人のやり取りがいいのだ。深緑さん、緻密で大胆な虚構科学。法螺なのに探求の本質を感じさせる。酉島さん、惑い星と書いて惑星。誕生した星が惑いながら成長する姿。重力や太陽の当て字の洒落っ気も良い。雪舟さん、ハッピーなタイムラインへ。宮澤さん、軽妙軽妙。川端さん、回転ジャングルジムが懐かしい。表紙絵も良かった。
2021/01/26
Ikutan
宇宙がテーマの七つの物語。加納さんと寺地さんが目当て。でやっぱり前半のこの二人の作品がよかった。続く深緑さんはよく解らず。後半は、初めましての作家さん。酉島さんは、擬人化した星々の視点で星の運命を描くスケールの大きな物語。当て字を多用した独特な世界を楽しんだ。雪舟さんは未来のBL。あんまり未来っぽくなかったなぁ。「エレエレ」など言葉の使い方が面白い。一番SFらしかったのは宮澤さん。ハラハラドキドキさせられた。川端さんの作品は、コロナ禍の父と娘の関係が微笑ましい。科学がベースで伊与原さんと同じテイスト。
2021/03/09
chimako
テーマは「宇宙」だけれど思いもよらないような多岐にわたる物語。父と子の南の島のほのぼのストーリーから宇宙をまたにかける殺し屋、惑星の一生は星を現す言葉が独特で、胸キュンBLもあれば宇宙の理を語る考えさせられるものも。集英社の「短編シリーズ」はどれも趣があって好きだけれどこれにはちょっと驚かされた。加納さんの「南十字星~」のみ既読。西島、雪舟、宮澤の三氏は初読み。雪舟さんの胸キュンは解説にある『緑と楯~』で続きを読んでみたい。一番の驚きは宮澤さんの「キリング・ベクトル」人は適当に作られた欠陥品だって?!
2024/08/16
ひさか
小説すばる2017年6月号加納朋子:南の十字に会いに行く、宮澤伊織:キリング・ベクトル、書き下ろし:寺地はるな: 惑星マスコ、深緑野分:空へ昇る、酉島伝法:惑い星、雪舟えま: アンテュルディエン?、川端裕人:小さな家と生きものの木、の7つの短編を収録して、2021年1月集英社文庫刊。宮澤さんのスケールの大きさとアイデアに脱帽。川端さんの宇宙樹が素敵です。寺地はるなさんの宇宙人に笑ってしまいました。収録された作品の多彩さが、楽しいです。
2021/03/15
けんとまん1007
宇宙・・・って、広い。概念も広い。心の中の宇宙もあるし・・とか。それぞれの作家さんのカラーがでているのだと思う(というのは、初読みの作家さんも数人)。これだけ、色合いが違うと、それはそれで、楽しめる。宇宙・・・行ってみたいなあ~。
2023/07/12
感想・レビューをもっと見る