最後に手にしたいもの (集英社文庫)
最後に手にしたいもの (集英社文庫) / 感想・レビュー
ケイ
吉田さんは、いつも映画化された自分の作品を褒める。監督に、脚本家に、俳優たちに感謝し、感動している。映像の中で役者の発するセリフに感じ入った時に、それが自分の書いたものか脚本家の手によるものか分からないときがあったと語る。だから、映画に関わる人達がいいものを作れるのではないだろうか。その中でも、高良健吾くんへの賛辞は手放しだ。『横道世之介』を彼が演じたことに感謝されている。わかるな。観なくちゃ。
2022/07/09
hit4papa
ANAの機内誌に掲載されたエッセイです。第四弾であるものの前作と連載時期が被っているからか、時系列が?となります。本書では、映画化作「さよなら渓谷」、「怒り」に言及されていて、ファンには嬉しいですね。台北のマルーン5のコンサートでの盛り上がり、マカオのカジノで戸惑いなど、共感すること度々です。twitter でエゴサーチをしてたまげた件、電車内の携帯電話の忘れものをただ見ているだけ日本人乗客の件など、ほっこり話しも読めます。タイトルの、巨万の富を手に入れた人は最後に何を望むのか、は著者らしい考察ですね。
2023/03/11
じょんじょん
ANA機関紙『翼の王国』の連載2012年9月~2016年9月の掲載をまとめたエッセイ集。タイトル作は書き出しからは思わぬラストでアート好きの自分にはぐっとなる作品でした。心にささったのは「香港の底力」取材旅行中のコーディネーターの言葉、中国返還「別になにも変わりませんよ、ボスがイギリス人がら中国人になっただけ」2021年の今、ここ最近香港でおきていること、その変化に時の残酷さを感じます。自分の香港訪問は1996年秋、翌年の中国返還を直前にして、街に不安が入り混じった空気が溢れていたことを思い出しました。
2021/07/21
kei302
Kindle Unlimited 集英社文庫 2021年2月19日発売に向けた修一さまファン狙いの撒き餌。 文庫本も買います。小説では出会えない素の姿や感性。機械音痴には笑った。 快速電車は埼玉を走る:出版された作品の評判を検索・・やっぱり気になるんだ。 伊勢神宮:伊勢弁“きつい感じ”・・ショックですぅ…。岡山の人にも言われたことがありますが。
2021/02/03
@nk
「快速電車は埼玉を走る」でのTwitter、「八幡製鉄所の美しさ」での人生と人間の捉え方、「対馬旅情」での『伊豆の踊子』を再読する話、そして終盤の『怒り』の映画版に纏わる話が、特に面白かった。/[泣きたくなるような青空]に続けて読了。吉田氏の旅情エッセイは最高だ。酒を飲み、珈琲を飲み、散歩し、一服し、(中略…)風呂から上がっては…という一連の流れに羨望がやまない。本書はANA機内誌の連載を文庫化したシリーズの5本目であり最新作。このシリーズ、ふと手をのばせば届くところへ置くやつ、であることに相違なし。
2022/09/28
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