放課後ひとり同盟 (集英社文庫)
放課後ひとり同盟 (集英社文庫) / 感想・レビュー
papako
いやーよかった。この方の前に読んだ七三が地面に埋まってる話もアンソロジーもだけど、なんか好き。ゆるくつながる連作短編集。ストーリーテラーだけ、ちょっと怖かったけど、全部よかった。うるうるした。原田視点の話読みたかった。もうちょっとこの方の本、追いかけてみよ。
2024/09/12
シオウ
表紙のお見事な蹴りに惹かれて手に取った。ページを捲ると短編が5編。それぞれ形は違えど悩む人と寄り添う人の物語になっている。家族、恋愛、性別、容姿、漠然とした不安…悩みは多岐に渡り、寄り添い方も人それぞれ。中にはかなり重い悩みもあるが、比較的軽めのタッチで描かれておりスラスラ読める。しかし彼らが溢れる想いを吐き出す場面は、どの話も胸にぐっと来るものがあった。4話目と5話目が特にお気に入り。4話目の彼女の寄り添い方に笑い、5話目は優しく聡明な小学生が大活躍!
2021/05/25
秋田健次郎
表紙から爽快感のある青春小説と思いきやそれだけじゃない。妙に生々しいリアルな思春期の質感も含まれていて、それが本作の唯一無二な魅力になってると感じた。思春期特有の悩みを抱えた青少年たちの連作短編なんですけど、主人公たちの世間への鬱屈した不平不満がなんとも生々しい。何がって、小説という媒体の都合上、そういう不満はうまく言語化されていがちなのに、本作は曖昧なまま扱われていて「なんか分からないけどイライラする」感じがそのまま出力されてる。でも、最後には心地よさを与えてくれるから読後感は清々しい。
2024/01/11
ツバサ
少年、少女の生きづらさが描かれていて、そこから抜け出す方法は大袈裟ではないが視界が広がるきっかけは転がっているんだな。自分らしく生きるためには様々な壁があるが諦めない登場人物達に救いを感じました。素晴らしい短編集でした。
2021/03/31
和傘
著者の作品をオムニバス短編集で読んで気になったため購入。ジェンダーのことだったり、家族のことだったり、よく見かける短編のテーマだけど、ありきたりさを感じず面白かった。後書きの受け売りだけど、主人公から見た登場人物たちの印象が変わって、主人公の視野が広がっていくのが本当にリアル。また著者の小説を読みたい。あとABCミネストローネ事件の語感が好き。
2022/02/25
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