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蝶のゆくへ (集英社文庫)

蝶のゆくへ (集英社文庫)

蝶のゆくへ (集英社文庫)

作家
葉室麟
出版社
集英社
発売日
2021-06-18
ISBN
9784087442601
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蝶のゆくへ (集英社文庫) / 感想・レビュー

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エドワード

「青年よ、大志を抱け。」「女子にも教育を。」明治女学校に入学した星りょうの目に映る、明治の世を生きる若者たち。明治になっても家族や世間の姿はほとんど変わらない。男尊女卑も甚だしい。そんな中で、北村透谷、島崎藤村、国木田独歩、有島武郎ら男たちが新しい思想を広げ、女たちは翼を得る。自由に生きたい。自分の思いを叶えたい。若者が新時代に得たのは<LOVE>の精神だった。佐々城信子、瀬沼夏葉らの激動の愛が胸を打つ。星りょうが新宿中村屋を興しサロンを開いた相馬黒光と分かり驚いた。荻原守衛の彫刻「女」が印象に残る。

2021/07/30

タルシル📖ヨムノスキー

新宿中村屋の創業者の話ということで、苦労して店を立ち上げて成功を勝ち取っていくという〝おしん〟のようなお仕事小説かサクセスストーリー的な話かと思いきや、明治・大正期の文豪たちの話でかなり困惑。江戸時代から比べればかなり自由な生き方ができるようになったとはいえ、今に比べればまだまだ窮屈な時代。そんな時代だったからこそこの頃の人たちは圧倒的な熱量で、学び、考え、行動できたのかもしれない。残念ながら明治・大正期の文豪の作品はどうも敷居が高くて手に取っていないが、これを機にチャレンジしてみようか。勝海舟、最高!

2021/08/14

みやび

葉室麟さんの作品は静謐な印象があったけれど、これはまたタイプが違っていて新鮮な驚きがあった。明治から大正にかけてはまだまだ女性にとって窮屈で生きづらい時代であったと思うけれど、そんな中でも懸命に学び行動し、自分らしい生き方を模索する姿に惹き込まれた。 主人公の星りょうを通して彼女に関わる人々の生き方を見つめ、自分はどうあるべきかを問い続ける。島崎藤村や国木田独歩など、文豪と呼ばれる作家や芸術家が多く登場するのも興味深い。そのためか、どこか純文学を読んでるような心地良さを感じた。

2022/04/01

紅香@本購入まであと9冊

『身を亡す恋は私にはいりません』明治女学校に入学した星りょう目線で愛に溺れていく知人達を考察する。恋は崇高なものなのか、淫らなのか悩む島崎藤村など有名な文豪または芸術家の登場に身が焦がれる思いだった。たった1冊で数冊分読んだ感。何日も経ったようでたった1日だった。背景を知っていくうちにそれぞれの作家の吐露が滲み出た小説も読みたくなった。『恋愛とは男と女が互いを煉獄に突き落とすことだよ』『女と関わると何もできなくなる。虚無だ。しかしその虚無を私は美と呼んでしまう。なぜなのかはわからない』私も等しく苦悩する。

2022/08/12

ichi

【図書館本】明治時代の強き女性が新時代を生き抜いた強さが凛としていてかっこよく、あのように自分を貫くことは自分はできないかも。と思いました。女性視点の主人公の著書は読んでいて面白い。今回も楽しませていただきました。

2022/06/02

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