短編ホテル (集英社文庫)
短編ホテル (集英社文庫) / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
ホテルを舞台にしたアンソロジー。作家さんの個性がそれぞれ、しっかりと出ていてなかなか惹き付けられる一冊でした。個人的にイチ推しは柚月さん作品。東野さんの「マスカレード〜」に匹敵するレベルの完成度の高いお話。この1編だけでも、十分に値があるかなと。下村さんも`らしさ`がしっかりと滲み出ていて、さすがだなと。全体を通して、印象に残る作品の差が大きく出てしまうのは読む側の問題なのかもしれません。大沢先生の作品は、もう完全にノンフィクションではないかと思ってしまいます。平山さんのはとにかくコワい、コワすぎでした。
2021/11/21
うっちー
ホテルという同一テーマでも、それぞれの作者の作風が著されていて、面白い作品が多かった
2021/12/07
KAZOO
ホテルに関連したアンソロジーでどの作品も結構楽しめました。大沢さんと柚月さん以外の作家さんはあまり読んだことがないのですが、様々な状況を描いています。桜木さんの「青い絵本」、下村さんの「聖夜に」などが印象に残りました。また柚月さんの話は石ノ森さんのコミックの「ホテル」を思いだしたりしました。
2021/10/31
ひさか
web集英社文庫2021年7〜9月配信の桜木紫乃:青い絵本、大沢在昌:錦上ホテル、下村敦史:聖夜に、東山彰良:ドン・ロドリゴと首なしお化け、真藤順丈:グレート・ナンバーズ、柚月裕子:サンセールホテル、平山夢明:蝸牛ホテルhôteldeescargot、の7つのホテルをテーマにした短編を加筆修正して2021年9月集英社文庫から刊行。多彩さには拍手。蝸牛ホテルのアイデアが面白く、楽しめた。他、特にホテルを舞台にしなくても成立する話もあるし、振るわない話もあり、玉石混交に感じた。
2022/02/26
タイ子
ホテルを舞台に様々な人生模様が描かれたアンソロジー。印象的なのは桜木紫乃さんの母娘の物語。漫画の背景を描く娘が絵本作家の母に誘われて北海道のホテルに宿泊。そこで知る母の限りある命。2人が最後に交わした約束「青い絵本」。下村敦史「聖夜に」はフィリピンで男に貢ぐ売春婦が、日本人の男性に誘われ日本に逃亡。待ち合わせのホテルには女性を追って来日した現地の男が。果たして2人は出会えるのか?ミステリな感じで楽しめた。柚月裕子さんもホテルで起こったある出来事を推理小説ばりに描いてなるほどな感じ。それぞれに楽しめる趣向。
2021/10/17
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