丘の上の賢人 旅屋おかえり (集英社文庫)
丘の上の賢人 旅屋おかえり (集英社文庫) / 感想・レビュー
しんごろ
『旅屋おかえり』の続編。舞台は札幌と小樽と、おかえりの故郷の北海道。もうちょっと物語を掘り下げてほしかったかなと思うものの、あっさりとした内容でもラストは泣けてしまったのは、やはりマハさんの筆力かな。そして、『フーテンのマハ』も収録。うれしいじゃないですか。これまた取材先が北海道。札幌と帯広。北海道は食の王国なのだなと思ってしまいます。おまけの勝田文さんの漫画もおかえりのデビューまでの足跡で舞台は、これまた北海道の礼文。作品とは別に北海道てんこ盛りで北海道を深く味わえる作品ですね。
2021/12/31
kk
旅屋おかえりの第二弾。こんどの舞台はなんと主人公にとってタブーだった北海道。出来過ぎっちゃ出来過ぎなお話だけど、そう分かっていても泣かされます。ちょっとしたセリフとか、作中の景色とか、ストーリーの流れとか、そんな全てに気持ちが揺さぶられちゃうみたいな。なんのかんの言って、またステキな読書体験をさせてもらったと思っています。
2022/03/16
Nobu A
原田マハ著書29冊目。21年刊行。「旅屋おかえり」の続編。一言で言うと「物足りない」。前書もそうだが、筆者の得意分野アート小説と比べると趣向もあまり凝らしてなければ物語展開を練っている訳でもない。紙幅増しに漫画を挿入。巻末の解説に筆者の絵画と旅に対する情熱の言及がある。得心。著名な絵画を鑑賞する為に当然海外旅行は必須。旅の達人でもあるはず。絵画の良さを見事に言語化する原田マハ。でも旅にも何故それが出来ないのかなと疑問に思う。舞台となる札幌、小樽やモレエ沼公園に行きたくなるような美しい描写が欲しかった。
2024/07/26
まちゃ
旅の意味と魅力、人の繋がりが感じられる温かな一冊。気楽に息抜きできました。『旅屋おかえり』未収録の「丘の上の賢人」、エッセイ「フーテンのマハSP 旅すれば 乳濃いし」、勝田文さん描き下ろし漫画「おかえりの島~旅屋おかえり~」
2022/02/23
bunmei
今回のマハ作品は、アートは封印。ご自身の趣味でもある旅をモチーフに、愛や人生をテーマにしたヒューマンタッチの作品である。長い時を離れていた恋人や家族が、旅人・丘エリコの仲介によって、再び巡り合うホッコリ・ドラマ。また、表題作品以外に、今回の舞台の北海道グルメレポートと、本作の主人公『旅屋おかえりさん』の誕生秘話も漫画化され掲載。今回の旅の依頼は、ある女性から、動画に映っていた男が、別れた恋人か確かめる事と音信不通になった唯一の肉親である姉の安否確認をする事。ラストには、心打つ感涙シーンが待っている。
2022/04/04
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