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あなたの愛人の名前は (集英社文庫)

あなたの愛人の名前は (集英社文庫)

あなたの愛人の名前は (集英社文庫)

作家
島本理生
出版社
集英社
発売日
2021-12-17
ISBN
9784087443301
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あなたの愛人の名前は (集英社文庫) / 感想・レビュー

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さてさて

「小説すばる」に連載された六つの短編から構成されたこの作品。登場人物が絶妙に繋がりあい緩やかな連作短編を構成しています。『恋でもなければ愛でもない』、『愛してないけど愛されたい』、そして『もしかしたら、なにも知らないからこそ、覗いてみたくなったのかもしれないです。私の知らない私を』と、人はさまざまな思いをその時々に抱きながら生きています。そんな人の想いを構成の巧みさによって鮮やかに浮き彫りにしたこの作品。”二者の選択”を共通のテーマにした島本さんがこの作品に込めた思いにとても魅了された傑作だと思いました。

2022/06/20

じいじ

島本理生は6年前に『Red』を初読みしたが、読了はしたものの肌が合わなかった。2作目に読んだ『君が降る日』は、切ない恋愛小説だったが「死と再生」をテーマにした読み応えがあった。そして、3作目の今作は、6話が繋がる連作で、大人の恋愛を描いた短篇集。どうもこの作家さんは、80歳の爺イとは相性が良くないようです。読書への残り時間を考えると、残念ですが1篇を残してリタイヤすることにしました。

2022/02/12

りゅう☆

夫以外に抱かれたいと思ったことないのに…。二つ同時には愛せない。婚約者と同棲中だけど出会った彼がどうしても欲しいと思う時があり…。セフレ同然の関係だったかもしれないだけど…。パニック気味なのにいきなり一人での海外旅行は最悪だったけど友達の大事さに気付くことができてよかった。浮気する女性立場だったり、連作短編集あり、飼い主が出産してからの変化を感じる猫視点であったり。不器用な男性が気になる女性客との距離に慎重であと一歩踏み出せず、でもゆっくりとした関係で彼女の心の闇を解きほぐしていく『氷の夜に』がよかった。

2023/05/03

もぐたん

これは、埋まらないものを埋めたいという欲求の物語だと思った。男女の深くて遠い隔たり。うまくいかないのはわかってても追いかけてしまったり、すれ違っていることを承知で付き合ってみたり…。どの話にも共感して苦い思いが蘇ったりして。ガツンとくるというよりも、じわっとボディーブローの短編集。★★★★☆

2023/07/27

mio217

「愛人」とは時代の移り変わりと共に、常軌から逸脱した言葉と捉えられている。けれど本来は普通に「愛する人」といった意味合いで。「人の輪郭って、他人がなぞるんだよね。」著書に登場する印象的なセリフの一つ。ぼやけていた自分の輪郭は愛する誰かによって、濃くなるものだと思わせる作品だ。「愛人」に纏わる連作短編集は、著者が言う「誰もが苦しそうな話」ではなくありふれた悩みの話であり、共感できる話であり。愛する人と行き着く先に待つものは光だと思っている。愛人とのハッピーエンドではなくとも自分の輪郭が見えるから、光なのだ。

2021/12/24

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