地面師たち (集英社文庫)
地面師たち (集英社文庫) / 感想・レビュー
ぶち
積水ハウス"地面師"詐欺事件を基にした犯罪小説です。2017年に積水ハウスが土地の購入代金 55億円を騙し取られた事件のことは鮮明に覚えています。単純なトリックの詐欺に一流企業が簡単に引っかかてしまうことにビックリしました。この小説を読むと、騙される側に隙があることが分ってきます。地面師たちをはじめ、不動産会社経営者、司法書士、書類偽造屋、なりすまし役など様々な関係者への膨大な取材に基づいて書かれたのでしょう。読んでいて不動産取引の実態などなにも知らない私でも圧倒的なリアリティを感じ、ドキドキしました。
2023/08/04
りゅう☆
事業が悪化した父により火事で妻子を失い孤独になった拓海はハリソン山中と出会い地面師となり不動産詐欺を行っていた。詐欺シーンのハラハラは好きではない。百億円という高額詐欺に着手するメンバー。一方ハリソンの容疑を疑い、定年間際までずっと彼を追ってきた刑事辰。拓海が転落人生を送ることになったことに関わりがあるのか?夫に逃げられた女僧侶の土地を開発本部長青柳に騙して売る。辰以外、味方になりたいと思う人物がいない。拓海の転落人生には同情するも詐欺師であったことは否定できない。だけど一番の極悪人に天罰が下ってほしい。
2023/02/21
ケンイチミズバ
壊れた男の本心を知りたいと思いながら読んだ。土地所有者になりすまし、売却をもちかけ、企業から多額の代金を騙し取る。グループの中で中核的な存在となっている拓海。家族を失い自身が詐欺事件の被害者でもあるのになぜ。騙しの手口にとても引き込まれハラハラする。大きな悪玉が下の悪玉を従える地面師グループの構図は闇バイト組織のそれ。下の者は虫けらのようにいつか切り捨てられる。自暴自棄の心、生贄の羊の愚かさへの怒り、誰でもいい復讐心、死んだように生きていた彼はようやく答えを自覚する。人間ドラマとしてとてもよくできている。
2024/09/17
kyokyokyo3201
「地面師」という言葉は実際の事件の時に知った。その事件を元に書かれた本書。冒頭の不動産詐欺契約場面から引き込まれて一気に読んだ。騙す側と騙される側の攻防(特にラストの事件)にドキドキハラハラ手に汗握る。解説で大根仁氏が(会社的に)映像化が難しい旨を書いておられたが、Netflixでドラマ化が決定とのこと。見る!
2023/11/17
H!deking
初読みの作家さん。ドラマ化の帯を見つけて読んでみました。ひと昔前の地面師詐欺のお話ですね。構成が上手くてぐいぐい引き込まれました。この作家さん追いかけたいと思います!
2024/05/20
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